ども、北に向かう岡田達也です。

 

 

 

 

 

『世襲戦隊カゾクマンⅢ』

本日、北海道の女満別に移動する。

 

長い旅の始まりだ。

 

 * * *

 

最初の会場は

「大空教育文化会館」

 

聞いたことがない土地だ。

 

「どの辺りに位置するんだろう?」と思い地図で調べた。

 

網走刑務所の近くだった。

 

……網走刑務所か

 

 

網走刑務所には苦い思い出がある。

 

 *

 

僕の脳みそに刻まれたあやふやな記憶では

「極悪な犯罪を犯した者は網走刑務所に送られる。あそこは北の果てで、脱走しても逃げ場がないから」

みたいな話を、小学校のときに先生に聞かされた。

 

この話には、妙な説得力と、大きなインパクトがあった。

 

おかげで

網走 = 刑務所 = 極悪人のたまり場

というイメージが出来上がった。

(網走にお住まいの方、すみません)

 

 *

 

それから数年後。

 

父・隆夫さんと会話している最中

隆夫さんが突然こんなことを言った。

 

「俺が網走刑務所から戻ってきてーー」

 

えっ?

えっ??

 

えええええぇぇぇぇぇーーーーーっっっっっ!!!!!

 

今でも忘れられない。

 

サラッとした発言なのに

なんというインパクト

なんという不意打ち

なんという破壊力

 

幼い子供の小さな胸は張り裂けんばかりに膨らんだ。

 

お父さん、網走に行ってたんですか?????

 

いやいや

行ってたというか刑務所に入ってたんですか?????

 

ってことは

前科があるってことですよね?????

 

しかも

網走ですか?????

 

風のうわさで

極悪人が行くところだって聞きましたけど!!!!!

 

どんな悪い事やらかしたんですか?????

 

 

そのとき何を話していたのか?

いっさい覚えていない。

 

もちろん

その「網走」という言葉の力にすべてが吹き飛んだのだ。

 

 

僕は

怖くて怖くて怖くて

 

でも

精一杯の勇気を振り絞って

 

本当に恐る恐る

父に尋ねた。

 

「……お父さん、網走刑務所に入ってたの?」

 

隆夫さんはケロッと言った。

 

「いや、冗談だ」

 

 

小学生の僕は安堵したけど

今の僕なら「本当に刑務所に入れるよ」と言うだろう。

 

 *

 

こうして

父の虚言癖のおかげで(?)

網走には苦い思い出が残った。

 

もしも時間に余裕があれば

この苦い記憶を消すために

網走刑務所まで足を運んでみようかと思っている。

 

 *

 

小さな息子をお持ちのお父さんたちへ

「俺が網走刑務所から戻ってきてーー」

などという冗談は避けたほうが賢明だと思います。

 

 

 

 

 

では、また。