ども、無事に発進できた岡田達也です。

 

 

 

 

 

『世襲戦隊カゾクマンⅢ』

初日の幕が開いた。

 

 *

 

作・演出の田村くんが、初日の前にこんな話をした。

 

「場の緊張感を失わないでください。それをみんなで繋いでください。それがなくなったら、ただの悪ふざけなお芝居になってしまいます」

 

「そうなるとお客さんは笑うかもしれませんが、それは僕の求めるものではありません」

 

「極端なことを言えば、お客さんに笑ってもらえなくてもいいです。僕が面白いと思えれば。……いや、もちろんお客さんにも笑ってもらいたいですけどね(笑)」

 

とてもわかりやすく、役者の手綱を引いている。

 

 *

 

役者の多くはーー

(全員とは言いません。あくまでも「多くの」です)

 

お客さんに笑ってほしいです!

できればたくさん笑ってほしいです!

それはお客さんに愛されるてるかどうかが測れる貴重なバロメーターだから!

ワタシ、一人でも多くの人に愛されたいんです!

そのためにこんなお金にもならない仕事をやってるんです!

だから笑ってください!

愛をください!

みんなが笑ってくれないとワタシ死んじゃう!

……という欲の塊みたいな存在なので

(やや誇張してます)

 

客席の反応を伺いながら

ついついお客さんに「寄せてしまう」ことがある。

 

この「寄せてしまう」というのがとてもデリケートで

 

お客さんの欲しい呼吸が図れて、そこに芝居をアジャストさせる

というやり方なら何も問題ないけど

 

ともすると「あぁ、こうやればお客さんは笑うだろう」という

ちょっと下品な

言い換えると「お客さんに媚びる」ような芝居で笑いを取りに行ってしまうこともある

 

ある

あるさ

だって

人間だもの

 

……あいたたたた

自分で書いていて胸が痛むわ……

 

でも、所詮それは「個人の欲」であって

それが色濃く出すぎると「芝居の世界観」を壊してしまう。

 

だから律していかないとダメなのだ。

 

かといって「個人の欲」をゼロにするのも面白さに欠ける。

 

この塩梅こそが

とてもとても難しい

永遠の課題だったりする

 

 *

 

まだ昨日のダメ出しを聞いてないのでわからないけど

少なくとも初日の芝居は

田村くんの言葉によって

良い空気感を客席に届けることができたんじゃないか?

……と個人的には思っている。

 

これから先、まだまだステージ数もある。

 

このタガが外れないように

余計な愛を欲しがらないように

カゾクマンの世界を作っていきたい。

 

 *

 

 

 

僕のことを「先輩」と呼ぶラッパ屋の福本伸一先輩と

ONEOR8のやんちゃ坊主、山口森広くん

 

 

 

 

 

では、また。