ども、引っ越す岡田達也です。
昨日の続き。
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音楽プロモーターは『砂簾』の常連客だった。
その縁で、何人かのアーティストが『砂簾』で打ち上げをやったそうだ。
以下、叔母・多鶴子さんの証言。
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徳永英明さんご来店
「いぃ声してるのよ。ホント、いい声!」
「知ってるよ」
「ちがうちがうちがう!」
「は?」
「あんたが知ってるのは歌ってるとこでしょ? そうじゃなくて普段の声がまたいいのよ。あま~い声してるんだわ」
「だろうね」
「あの声で、耳元で囁かれたら失神するわね」
「……失神したの?」
「してないわよ! 囁かれてないんだから!」
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久保田利伸さんご来店
「面白い子でねぇ」
「?」
「お店の電話が鳴るたびに必ず久保田くんが取るのよ。「はい、砂簾でございます」って(笑)」
「サービス精神があるんだな」
「そういえば、久保田くんのときは、人手が足りなくて、お姉さん(母・秀子さん)にも手伝ってもらっただけどな」
「うん」
「あんたのお母さんはミュージシャンなんて興味がないが」
「そうだな」
「どの人が久保田くんかわからんでな。結局、みんなが帰ったあとで「どの人が久保田利伸さん?」って聞くから、「あの電話に出てたちっちゃい人」って言ったらーー」
「たら?」
「「えぇ! あの、ちっちゃいお猿さんみたいな人が歌う人? 私、お付きの人かと思ってた」って!(爆笑)」
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大友康平さんご来店
「大友くんは、よく飲んだわ」
「強いの?」
「コンサートの前の日にも来てな。「明日が本番なんだから、もうやめんさい!」って止めるくらい飲んどったで。ボトル1本は空いたな」
「大したもんだな」
「で、本番の日も飲みに来てな」
「へぇ」
「あれは私に惚れとったな」
「……」
「信じてないだろ?」
「いや、べつに」
「だってな、鳥取で(ライヴ)やるたびに来てくれて。結局3回も来んさったで!」
「だからって、おばちゃんに惚れとるかどうかはーー」
「あんたにはそういう大人の駆け引きがわかってない」
「……」
「あれは私に惚れとった」
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本日、ウィークリーマンションに引っ越します。
2週間、叔母の家に居候しました。
叔母との楽しいおしゃべりをみなさんにも聞いてもらいましたがそれも今日でおしまいです。
稽古場で山口良一さんに
「隆夫さんの代わりに多鶴子さんというキャラが出てきて、読者としては喜んでたのに。もうおしまいなの?」
と残念がられました。
そんなふうに言ってもらえただけで満足です。
ホントに愛すべき叔母です。
また近い内に遊びに来たいと思います。
今朝の多鶴子さんからのメッセージ
では、また。