ども、いろんなものが歪んでいる岡田達也です。
“真っ直ぐな姿勢で寝てみたい”
……強くそう思っている。
「寝相なんかどうでもいいんじゃないのか?」
と思われるかもしれない。
いや
憧れるのだ
真っ直ぐな寝相に
*
昔むかし
お盆で親戚が集まったとき。
カズヒコさんという叔父が昼寝していた。
その寝相は
頭の先からつま先まで一直線に伸びきって
顔は真っ直ぐに天井方向を捉え
腕は体の横に密着し
一切のムダがない姿だった。
別の叔父(マモルさん)が言った。
「達也よ、よく見ておきなさい。カズヒコくんは真っ直ぐで曲がったことが嫌いな男だ。オマケに市役所の助役を務めている。そんな人間だから寝相も乱れないんだよ」
中学生だった僕は
「まるでミイラのようだ。なんという面白い寝相なんだろう」
と思って見ていたので、その言葉は意外だった。
マモルさんは続けて言った。
「寝相にも人間性が現れるんだ」
この言葉が35年ほど経った今でも忘れられない。
*
そもそも僕は、真上を向いて眠ることができない。
必ず首が左右のどちらかに倒れている。
さらに。
姿勢を真っ直ぐにしてみるが
時間が経つと腰のあたりに痛みを感じはじめ、必ず膝を曲げてしまう。
それだけでは飽き足らず
全身を右に倒して眠り、次に目が覚めれば左に倒し
眠っている間、ずっとグニャグニャ、モゾモゾと動いている。
さすがに今は無くなったが
若い頃、目が覚めると上下(頭と足の位置)が逆になっていたことがある。
……オレは眠っている間に180度回転したのか?
その技に我ながら驚いたものだ。
*
50歳を超えて、未だにピシッと寝たことがない。
いつだって僕は、悲しいくらい折れ曲がって寝ている。
マモルさんの言葉が本当なら
心の歪みが、そのまま寝相に現れている
……ということだ。
オマケに演劇をやっていることも作用しているのかもしれない
*
「いい加減あきらめたらどうだ?」
と言われそうだが
僕は今でも毎晩、真っ直ぐに挑戦している。
ちなみに今朝は
右膝か先がベッドからはみ出し
自分の腕枕で寝ているーー
という奇妙な姿で目が覚めたが。
寝相と人間性は比例しているんだろうか?
では、また。