ども、目指していたい岡田達也です。

 

 

 

 

 

僕のツイッターアカウント、自己紹介の欄にはこんなふうに記載してある。

 

「俳優(演劇集団キャラメルボックス/クリオネ所属) 

居酒屋評論家(第二の吉田類さん志望) 

らくだに乗った王子さま(と他人様に呼ばせてる)」

 

読む人によっては「ふざけてるのか、こいつ?」と不愉快な思いをさせるかもしれないけど、本人はいたって真面目に書いている。

 

何より、ウソや誇張がない。

すべてが事実だ。

 

 *

 

吉田類さんの存在を教えてくれたのは、母・秀子さんだった。

 

今から10年以上前のこと。

ある日突然、秀子さんに言われた。

「あなた、そんなにお酒が好きで飲み屋が好きなんだったら、吉田類さんみたいになればいいのに」

 

僕は吉田類さんを知らなかった。

 

聞けばBSで『吉田類の酒場放浪記』という番組をやっていて

居酒屋を巡って、好きなお酒を飲み、食べたいあてを食べ、店を出たあとに一句詠むーー

という構成らしい。

 

なんて素晴らしい番組なんだ!

そんなことで番組が成立するなんて驚きだ!

いいぞ、BS!

 

そしてーー

さすが母上

我が息子のことをよく理解していらっしゃる。

正直それは、鳥取県知事になるよりも魅力的です。

 

問題は一つだけ

僕は俳句が詠めません……

 

 

秀子さんは続けた。

「私もお父さんも、なんとなくその番組が好きでね。それが始まる前に、お酒とおつまみを少しだけ用意して、2人で類さんと一緒に飲んでる気分になりながらテレビを見てるの」

 

あぁ

そりゃ、なんていいエピソードなんだろう

自分の両親ながら、とても可愛らしいぞ

 

 

確かになぁ

将来、僕が類さんみたいな番組を持って

それを2人で見ながらお酒を飲んでくれたら

父も母も、そして僕も幸せだろうなぁ

 

 

やっぱり第二の類さんを目指すしかないか……

 

 *

 

昨日の夜。

 

父・隆夫さんが言った。

「今日は類さん(の番組)があるで。見たかったら見ればええが」

 

そして。

驚きの発言をぶちかました。

 

「俺も昔は好きだったけどなーー」

 

「?」

 

「今は類さんは嫌いだ」

 

えええええぇぇぇぇぇ?????

おおおおおぉぉぉぉぉ?????

 

そ、

そ、

そうなんですか!!!!!

 

母からは2人で番組を見てると聞いてましたが!

 

たまらず尋ねた。

「どうして嫌いになったの?」

 

「類さんなぁ、お店に入ってお酒を飲むだろ? そしたらなぁ、すぐに女のお客さんのところに行って乾杯するだが」

 

……いや、そうかな

僕が見る限り、男の人とも飲んでるけど

 

「絶対に女の人だけなぁ」

 

……ひょっとして、うらやましいのですか?

 

「あとなぁ」

 

「何?」

 

「美味しいときに何も言わんで、親指を立てるだが」

 

「うん」

 

「あれがいけん」

 

「?」

 

「味の感想を言わんだけなぁ」

 

……いや

親指を立てるのは「good」ってことで、それが感想なんですけど

 

「何か言わんといけんわい」

 

「……」

 

「俺は類さんは好かん」

 

 *

 

今、僕の将来の方針が揺るぎ始めている。

 

お母さん

どうしたもんですかね?

 

 

 

 

 

 

では、また。