ども、健康第一の岡田達也です。

 

 

 

 

 

昨日のつづき

 

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当然のことながら、芝居によって出番の多さというのは違ってくる。

 

出ずっぱりの役もあれば

ワンポイントだけ登場する役

セリフは少なめだけど割と舞台上にいる役など

滞在時間は様々だ。

 

 

『すべての風景の中にあなたがいます』の芝居の中で

僕が演じた「滝水」という役は、真ん中のワンシーンを除いてすべて舞台上にいた。

 

このお芝居の上演時間は60分。

僕は芝居の冒頭から30分間舞台上に居て

一度だけ袖に引っ込み

5分後、再び舞台に出たらラストまでの25分、舞台に居る役だった。

 

わりと長い。

いや、とても長いと言っていい。

 

 

始まって5分のところで左足から「ブチッ」というイヤな音が聞こえた僕は、お客さんにバレないように、細心の注意を払いながら芝居を進めていた。

 

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さて。

ここから先は、後日、僕が聞いた話だ。

 

ウソかホントか、それは僕自身にもわからない。

演劇界にいる人間なんて、どいつもこいつも“面白おかしく盛りたがる悪癖”を持ってるから。

 

話半分で読んでほしい。

 

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演出助手として参加していたAさん

 

「私が一番最初に気付いたんです。だって正面(客席)から見てますからね。「達也さん、何かあったんだ」って思って、舞台袖までダッシュしましたよ。それで舞台監督さんに「達也さんがおかしいです!」って伝えてーー」

 

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ピンスポットを担当していた照明のAさん

 

「いや、ビックリしましたよ。最初は「何、勝手な動きしてるんだろう?」って思ったんです。けど、すぐに分かりました。こりゃアクシデントだって。だって、達也さん、語りの位置まで行かないで長ゼリをしゃべり始めるから(※1)。サスも当たってないでしょ?(※2) 達也さん、ただでさえ顔が黒いのに、明かりが無いから真っ暗だし、こっちも必死でした。そこから先は予定になかったピンフォローを入れっぱなしですよ! お客さんに達也さんの顔がちゃんと見えたとしたら僕のおかげです。僕に感謝してください(笑)」

 

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舞台監督助手として参加していたKさん

 

「様子がおかしいって聞いて、袖からオマエの様子を見たいんだけど、パネルだらけで舞台上がよく見えないんだよな。仕方ないから若いやつに氷を用意させて。でよぅ、みんなが聞きつけて袖に来るもんだから、ただでさえ狭い袖が余計に狭くなって。「「オマエら邪魔だ!」って、俺が蹴散らしてやった(笑)」

 

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再び演出助手のAさん

 

「応急処置ができる準備をして、台本めくってみたんです。でも、達也さん25分ほどハケてこないじゃないですか。「これは慌ててもしょうがない」ってことになって。次は25分後に上手にハケてくるから、そこにいろいろ準備してーー」

 

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同じ舞台に立っていた左ーー、間違えたSさん

 

「達也さんがいつもと全然違う動きするじゃないですか。僕もね、それに合わせようかと思ったんですよ。細見さんもちゃんと対応してるし。でもねぇ、フト成井さんの顔が頭を横切ったんですよねぇ。うち、アドリブ禁止じゃないですか。「あぁ、勝手な動きをしたら怒られるからやめとこう」って思っちゃったんです。でもね、信じてください! 僕も達也さんに合わせようと思ったんですって! これはホントです!」

 

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同時上演されていた『光の帝国』に出演していた畑ーー、間違えたHさん

 

「なんだなんだってなって僕も様子を見に行ったんですよねぇ。足を引きずってる達也さん見て、「こりゃダメだ」って思いましたね。で、すぐに楽屋に戻りました。人間、諦めが大切ですから」

 

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もう一度言う。

盛られている可能性はある。

だが、どれもこれも、本人から聞いた話なのでほぼ間違いない。


 

みなさま

その節はご迷惑をおかけしました。

最後までやれたのはみなさまのおかげです。

 

惜しむらくはーー

Hくんがもう少し役にたてば良かったのにとは思うけど。

 

 

病気もそうだけど、ケガもしないほうがいいと痛感しました。

舞台はショウ・マスト・ゴー・オンですから。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

※1 長台詞をしゃべる位置が決まっていて、このときは、センターと、上手下手それぞれ2間のところ、合計3箇所にあった。

 

※2 サスペンションライトの略。この灯りのおかげで僕のような黒い人間もかろうじてお客さんに見てもらえる。