ども、仲代達矢さんか三橋達也さんのどちらからか一文字もらった岡田達也です。

 

 

 

テレビを見ながら父・隆夫さんが言った。

「ひょっとすると、これから生まれる子供に「令和」って名付ける親がおるかもな~」

 

う~ん

どうなんだろう?

 

小学生の同級生に「昭和」と書いて「あきかず」なんて名前の子はいなかったし

社会人になってから「平成」と書いて「ひらなり」なんて名前の知り合いも現れなかった。

 

それはたまたま僕の周りだけで

ひょっとすると

元号と同じ漢字が名前になってる人も世の中にはいるのだろうか?

 

僕は答えた。

「どうだろうね。一文字だけ使うとかならあるかもしれないけど」

 

「!」

 

言った瞬間、僕は思い出した。

忘れていた、あのことを。

 

僕は“一文字使う”つもりだったんだ。

 

子供の頃からずっと。

 

 *

 

父・隆夫さんはダメな人だ。

 

いや

今でもそこそこダメな人だが

若い頃はどうしようもなくダメな人だった。

 

何度も言うけど、これが昭和とか平成の初期なら、父のしでかしてきたことをすべて書いている。

今でも書きたいし、それを読んでみなさんに笑ってもらいたい気持ちもあるのだが

そうすると、現代社会では間違いなく、書いた僕のモラルが疑われて、多くの人から叩かれる。

そんな恐ろしい目にはあいたくない。

 

なので、おかしな話だが

隆夫さんの“いろんな面でダメな人”というのは

みなさんが好き勝手に想像して楽しんでほしい。

 

そんなダメンズの先駆けみたいな父だが

子供たちには不思議なくらい優しかった。

障害を持っている兄・浩一くんにも、3歳年下の僕にも、とにかく優しく、一生懸命に接してくれた。

 

これが、隆夫さんの、唯一の長所、と言える。

 

 *

 

僕は父の影響もあってか

子供のころから「大人になったら早く子供が欲しい」と思うようになった。

しかも、男の子を。

 

それは

僕が父からもらったものを、同じような形で返したい

という思いがあったから。

だから男の子を希望した。

 

そして。

 

ずいぶん気の早い話だが……

僕は、小学生当時から、すでに子供の名前を考えていた。

 

僕に子供が生まれたら、この名前にしよう。

 

絶対に男の子だ。

 

だから

 

お父さんの名前・隆夫から一文字

 

僕の名前・達也から一文字

 

そうして考えられた名前は「隆也」だった。

 

……

……

 

おうっ

 

おうっおうっ

 

 *

 

月日は流れ

 

キャラメルボックスに入団したとき

上川隆也先輩に出会って思ったものだ。

「あ、僕の子供の名前の人がここにいる」と。

 

そして。

若さにまかせて、僕はそのことを先輩に話したこともある。

「将来は自分の子供に隆也と付けたいんです」と。

 

 *

 

僕は子供を持たなかった。

 

もしも男の子が生まれていたら

「岡田隆也」と名付けたのだろか?

 

 

偶然というのはとても恐ろしいものだ。

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

「令和」のどちらかの漢字が使ってあったら割引しますってお店があるみたいですね。

あれがとてもうらやましいです。

令も和もありませんが、どなたか焼き肉を半額で食べさせてくれませんか?