ども、2人の間で揺れる岡田達也です。

 

 

 

昨日のつづき。

 

 *

 

「ねぇ」

 

「なんだ?」

 

「どうして僕の名前が「達也」になったか知ってる?」

 

「それくらいは知っとるで」

 

「なんだ?」

 

「お母さん(秀子さん)が、三橋達也のファンだったけな」

 

「!」

 

 *

 

僕は、ずっとずっと「仲代達矢」さんから名前を頂いたのだと思っていた。

それを信じていたし、他人様にもそう何度もしゃべった。

かれこれ40年になる。

 

オマケに

「「矢」の字は変えたの(笑)」

という母との会話も記憶されている。

 

だが……

 

いくらダメ人間の隆夫さんとはいえ

さすがに秀子さんの好きだったものを間違えるとは思えないし

 

「お母さん(秀子さん)が、三橋達也のファンだったけな」という言葉には

「あれはたしか……」という迷いはなく、自信に満ちた力強さがあった。

 

 * 

 

「三橋達也はダンディだったし、二枚目だったし。で、コメディもアクションもできたけなぁ。秀子さんは好きだったなぁ」

 

「いやいや、待って待って! 僕は仲代達矢さんの名前から取ったって聞いたけど!」

 

「(薄ら笑いを浮かべて)何を言いよるだ。三橋達也だ」

 

「仲代達ーー」

 

「三橋達也」

 

「……」

 

 *

 

これから先

もしも誰かに僕の名前の由来を尋ねられたら

どう答えれば良いんだろう?

 

自分の記憶に素直に従えば良いんだろうか?

でも、それって、大いに間違っている可能性を含んでることになる

 

父の話をすれば良いんだろうか?

でも、そこには僕の実感も、思い入れも、何もない。

あるのは「僕が長い時間勘違いしてた」という笑い話だけだ。

 

しかし……

 

思うのだ。

小学生の僕が「三橋達也」「と「仲代達矢」を間違えて記憶するのは無理なんじゃないか?と。

だって、2人の顔を認識していなかったと思うし

 

とすれば可能性は3つ

 

・僕の記憶がすり替わった

 

・隆夫さんの覚え間違い

(これは限りなく可能性が低いが)

 

・秀子さんが三橋達也も仲代達矢も好きだった

 

……

……

 

あぁ、真実はどこにあるんだ?

 

 *

 

お母さん

 

あなたがいない今となっては、何が正しいのかわかりません

僕は今、かなりモヤモヤしています

 

まぁ、こだわらなければ良いだけなんですけどね……

 

 

 

2人ともかっこいいのは間違いないんだけどなぁ

 

あぁ、悩ましい

 

 

 

では、また。