ども、アナログマン岡田達也です。

 

 

 

昨日は『リトル・ドラマー・ボーイ』稽古場移動のため、トラックに荷物を積んで八王子までドライブ。

11時に新中野を出発

12時30分に八王子の稽古場に着けば良いとのことだったので

高速道路を使わずにのんびりと移動した。

 

それにしても……

「カーナビ」ってのは素晴らしい。

だってね、僕は「八王子芸術文化会館」なんて、どこにあるのか全く知らない。

だけどカーナビがあれば何の不安もなく出発できる。

 

不安なく走れると、運転にも余裕ができる。

事故を起こさないためにも、そうであったほうが良い。

 

「カーナビ」

なんて便利なんだ!

誰が考えたんだ!

開発者に何かご馳走してあげたいぞ!

 

あぁ……

カーナビが30年前にあったらなぁ

 

 *

 

ドライバーだった時代

僕はベビー用品のリース会社に勤務していたので

ベビーベッド、ベビーバス、ベビーカーなどを運んでいた。

 

朝、20~30枚ほどの配達伝票を渡される。

 

まず、その伝票に書かれている住所と道路地図を見ながら

「どの道順で、どの家から配るか?」を自分で組み立てる。

 

それが終わると、今度は配る順番に、それぞれのご家庭に電話をかける。

2時間の幅をもたせながら「◯時から◯時の間に伺います」と伝える。

この時間に間に合わせるためにも

絶対に効率よく道順を組んでおかなければならない。

そこは自分の経験だけが頼りだった。

 

当時はカーナビなんて無かった。

もちろんグーグルマップも無い。

頼りは『東京23区道路地図』。

赤信号のたびにこいつをガン見しながらひたすら走るのだが……

 

問題は、予期していない道路工事や事故による渋滞だった。

こいつに出会うとかなり時間のロスに繋がる。

そして予定時間に間に合わないなんて場合が出てきてしまう。

それを許してくれる人ももちろんいる。

 

だが。

あるときなど、予定より20分ほど遅れてしまった家の玄関先で、30分ほど文句を言われたことがある。

 

怒られるのは仕方ない。

2時間も幅を持たせながら、そこからさらに20分も待たせたのだ。

 

ただ……

怒られながら

「マズイよ、マズイよ、マズイよ」

「ヤバイよ、ヤバイよ、ヤバイよ」

「こりゃ次の家も間に合わないよ」

「「お願いですから次の家に行かせてください。どんどん遅れてしまうのです」って言ってみようかな? そんなこと言ったらこの家から二度と出られなくなるのかな?」

「やっぱりそんな危険な発言は避けておこう」

「それよりも、え~っと、次の家までどこか近道無かったっけ?」

と頭の中の地図をひたすらめくっていた。

 

そんな経験がある。

 

 *

 

昨日、渋滞に巻き込まれるたびに

「新しいルートをご提案します。元のルートとどちらを選びますか?」

と言ってきてくれるのには驚いた。

 

普段車を利用しないから知らなかった。

 

時代はここまで進んでいたのか

なんて賢いんだ

なんて良いやつなんだ

 

キミが30年前にいてくれたら

僕はあの玄関で、30分も、直立不動で怒られずにすんだのかもしれない……

 

 

でもね、不思議と紙の『道路地図』も好きなんです。

やっぱり古い人間だからかなぁ?

 

 

 

では、また。