ども、数字とアルファベットが苦手な岡田達也です。
昨日は茨城県東海村にある
『原子力科学研究所』へ出かけた。
間もなく稽古が始まる
『アトムが来た日』
の勉強のためである。
今の日本において「原発」は非常にデリケートな問題で
僕ごときの知識ではどうこう語ることなどできない。
ただ。
施設内を案内してくれた方の話を聴きながら
「今行われている原子力の研究開発が、未来の世界に役立つんだ」
という強い信念だけは、鈍い僕でも理解できた。
* *
鳥取工業高校に通っていたときのこと。
物理の先生は山本先生という男性だった。
今の僕よりももう少し歳上だったと思う。
ウィッキーさん(※)にそっくりな顔
いつもYシャツにネクタイをキチンと締めて、その上から白衣を着用
穏やかな表情
そして優しい口調での授業
僕は山本先生が好きだった。
自分で言うのも何だが
僕の高校時代の成績は決して悪くはなかった。
ただし。
英語と物理を除いては……。
この二つの科目は壊滅的だった。
ある試験の後
僕は物理の追試を受けることになった。
まぁ、それほどテストの成績が悪かったということだ。
追試が終わって。
僕は山本先生に呼ばれた。
僕がそばに行くと
山本先生は
ウィッキーさんにそっくりな顔でこう言った。
「ハァァ~~~……(深い溜息)。なぁ、岡田よ、オマエはそんなに物理が嫌いか?」
「え?」
「他の教科の成績と比べて、なんで物理だけこんなに悪いんだ? もしかして、わざとか?」
胸がちょっと傷んだ。
この優しい先生は
僕のことを
良く言えば「悲しんでる」
悪く言えば「呆れている」
のだ。
僕は先生を悲しませないように、正直に言った。
「物理、大の苦手なんです」
「ハァァ~~~……。もういい、帰りなさい」
* *
役者は何にでもなる。
いや
何でも演じなければならない。
確かな説得力を持って。
それが仕事なのだ。
『アトムが来た日』のチラシにはこう書いてある。
「これは日本で初めて原子の火を灯した若き技術者たちのものがたり」
山本先生
僕は今、不安でいっぱいです……
では、また。
※ ウィッキーさん