ども、今回はシングルの岡田達也です。
『若様組まいる』
本日、千穐楽を迎える。
今回、一役だけダブルキャストになっていて
それを演じたのが小槙まこちゃんと、高柳明音ちゃん(SKE48)。
で、昨日は高柳明音ちゃんの一足早い千穐楽だった。
ちゅり、お疲れ様でした。
* * *
自分の考え方が変わってきたなぁ、と思う
以前は自分がダブルキャストにエントリーされることが好きじゃなかった。
「一つの役を二人で演じる」
そこにはいろんな考え方がある。
「役がもらえるだけありがたいじゃないか」
(それはそう)
「自分以外の人が演じるのを見ることは勉強になる」
(それもそう)
なんだけど
「自分が演じなくてもその役が存在する」
ってのが、どうにもこうにも寂しい気持ちに感じられたのだ。
まぁ、言い換えれば軽めの嫉妬かもしれない。
だけど……
*
2002年
『銀河旋律』という芝居の4回目の上演が決まった。
それを
オリジナルメンバー(この演目経験者)と
ニューフェイス(未経験者)との
ダブルキャストで上演する
という企画だった。
それが決まったとき
僕は『加藤健一事務所』に出演中で大阪公演の真っ最中だった。
夜の本番を終え、出演者の何人かでお好み焼きを食べていた。
と、僕の携帯電話が鳴った。
いつもなら着信相手の名前を見てから電話に出るのに
そのときはなぜか確認しないで電話に出た。
……出てしまった。
これが恐怖の時間の幕開けとなるのも知らずに。
アルコールで気持ちよくなっていた僕は気楽な口調で電話に出た。
「はいはい」
「成井です」
「!!!!!」
電話の相手は脚本・演出の成井さんからだった。
このとき、僕に走った緊張感は50年の人生の中でも5本の指に入る。
僕は即座に立ち上がり直立不動の姿勢をとった。
心臓の鼓動は和太鼓のごとく鳴り始めた。
脈拍は確実に200を超えた。
僕は同席者に頭を下げ、店の外に飛び出した。
つづく