ども、小多田家のご両親のファンの岡田達也です。
『若様組まいる』
昨日のお昼の回に小多田直樹くんのご両親(まさみさん、けいこさん)が観にいらしていた。
大阪の枚方から、わざわざ。
二人ともとても元気そうで嬉しかった。
お二人にお会いするのは久しぶりだ。
もう10年くらい前になるだろうか?
何の芝居だったか忘れたが、新神戸オリエンタル劇場で本番を終えて帰ろうとしていたところ「達也さん!」と声をかけられた。
立ち止まり振り返るとけいこさんがいた。
「小多田の母でございます」
あぁ、どうも、はじめまして
いつも直樹くんにお世話になってます
「そしてこちらが小多田一家でございます」
見るとけいこさんの横にまさみさんや小多田くんの兄妹がいた。
なんて面白いお母さんなんだろう。
その言い方に思わず笑ってしまったのが今でも忘れられない。
* * *
僕の芝居を両親揃って観劇してもらったのは
『水平線の歩き方』(2015年)の岡山公演が最後になった。
当時、80歳になる隆夫さんは遠出を嫌がっていたし
秀子さんも闘病中だったので無理強いはできない状態だった。
でも……
岡山なら鳥取から特急で100分ほどで行ける。
しかも『水平線の歩き方』は60分の上演時間だ。
観てる人にも負担が少ない。
「この岡山公演は僕の芝居を両親に観てもらえる最後のチャンスじゃないか?」
僕は密かにそう思い、両親を口説いて岡山まで来てもらった。
*
自分は両親に何もできなかった。
家を建ててやるとか
孫を見せるとか
海外旅行に連れて行くとか
孝行らしきことは何もできなかった。
で、まぁ、お茶を濁すわけではないけど
芝居を観てもらうことが唯一できることだった。
別に感激屋でもない二人は
芝居を観たからといって良い反応をしてくれないこともわかっていたし
お褒めの言葉が無いこともわかっていたけど
それでも、残念なくらい、
僕には、他に出せるカードが無かった。
*
本番を終えて楽屋に来てくれた二人。
一緒に出演していた前田綾ちゃんや小多田直樹くんも僕の両親と面識があったし
二人には母の病気のことも話してあった。
なので二人は秀子さんの姿を見るなり駆け寄って
「お母さん、元気そうで何よりです!」
と笑顔で挨拶してくれた。
実際、そのときの秀子さんは調子も良く、とても元気そうだった。
綾ちゃんと小多田くんと秀子さんが盛り上がっているのを横目で見ながら、隆夫さんがポツリと言った。
「……誰か私のことも心配してくれないのかな?」
80歳がすねている姿を初めて見て僕たちは爆笑した。
* *
実際、これが両親に僕の舞台上での姿を観てもらう最後の機会になった。
予想通り、芝居の感想は話してくれなかったし、僕からも尋ねなかった。
まぁ、でも、いい。
あのとき頑張って誘って良かったなぁ、と今でも思っている。
小多田くんの両親の晴れ晴れとした笑顔を見てそんなことを思った。
まさみさん、けいこさん、またお会いしましょう!
では、また。