ども、モミモミ岡田達也です。

 

 

 

昨日、疲労回復のためにサウナに出かけた。

 

 

芝居をやっていると常に人に見られる。

これがとても疲れる。

いつも思う。

芝居ってのはなんであんなに人の視線を浴びなくてはいけないのだろう?と。

 

どちらかと言えば

誰の目にも触れることなくソっと生きていたい人間なのだが

役者なんぞになってしまったため

ジロジロと見られる人生を歩んでいる。

 

私の人生において大きな失敗の1つかもしれない。

 

 *

 

元気を取り戻すためミストサウナに入った。

 

ここのミストサウナは

真ん中に大きな壺が置いてあり、その中に塩が入っている。

それを体に塗ると発汗作用が増して、肌がツルツルになると書いてある。

 

僕は体中に塩をまぶした。

 

フト思った。

もしも僕が鯖ならば……

このまま網の上に置いて炙ってもらえれば

きっと良い脂が出て、身はふっくらと、皮はパリッとした

そんな立派な塩焼きが出来上がるはずだ。

 

……うん

やはり僕は疲れているようだ

 

正気に戻って塩を塗った。

 

無意識のうちに

僕は自分の脇腹の贅肉を

つまみ、ひねり、塩をこすりつけ

手のひらでゴシゴシしていた。

 

塩を塗りつけても

塩を揉み込んでも

贅肉は無くならないのに

そんなことは頭ではわかっているのに

それでも

かすかな願いを込めて贅肉に触ってしまう

 

そんな風に思っていると

横にいたおじさまが

立派な太鼓腹に塩を塗りつけながら、肉をつまみ出そうとしていた。

ギュ~っと

ギュ~っと

その必死な形相には鬼気迫るものがあった。

 

先輩……

僕が言うのもなんですけど

そんなことしたって太鼓は凹まないですよ

だって、そこまで蓄えたんですから

ちょっとやそっとじゃどうにもなりませんって

諦めたほうがいいですって

 

と。

そこへ小学生とお父さんの二人組が入ってきた。

 

「うわぁ、あっついよぅ(笑)」

 

子供は素直だ。

いつだって思ったことをすぐに口にする。

 

「100秒かぞえたらでていい?」

 

子供はかわいい。

いつだってお風呂の基準は100秒だ。

 

「おとうさん!」

 

「なんだ?」

 

「なんでみんなおなかをさすっているの? おなかいたいの?」

 

子供は素直だ。

いつだって思ったことをすぐに口にする。

口にしてしまう。

 

僕と、おじさんの腹をさすっていた手が止まった。

 

お父さんは、一瞬、答えに困ったが

「汗をかくためだよ」

と冷静に切り替えした。

 

「い~ち、に~、さ~ん」

 

子供はお父さんの返事を待たないで

すでに数字を数え始めていた。

 

大人3人の間に微妙な空気が流れていた。

 

 *

 

いいかい?

今はわからないかもしれないけど

君だってあと40年も生きたら

お腹を塩もみしてるはずだよ

 

そうなりたくなければ

しっかり運動しておきなさい。

 

 

僕は疲れを取るために行ったサウナで

軽い疲れを感じていた。

 

 

 

では、また。