ども、人生も普段の生活も立ち止まってばかりの岡田達也です。

 

 

 

朝から蝉が鳴いている。

 

夏の風物詩ではあるが

かなり賑やかだ。

我が家の隣には公園があるので

賑やかを通り越してやかましい。

僕の目覚まし時計にもなっている。

 

「ミーンミンミンミンミーン」

とも聞こえるし

 

「ジーッジーッジーッ」

とも聞こえる

 

意訳すると

 

「お姉さん、かわいいねぇ」

かもしれないし

 

「頼む! 一発やらせてくれ!」

かもしれないし

 

「僕のパパ、お金持ってるよ」

かもしれないし

 

とにかく求愛に忙しい。

 

ひょっとすると中には

「あっちー、今年の夏はどないなっとんねん?」

というような文句をいってるヤツもいるかもしれないし

 

「今日の昼は冷やし中華にしようかな……」

と言ってるヤツもいるかもしれないし

 

「セリフ、入んねぇなぁ」

とボヤいてるヤツもいるかもしれない。

 

(……全部、自分のことじゃねーか)

 

とにかく一生懸命、鳴いている。

 

 *

 

僕には“おかしな癖”がある。

 

「蝉が鳴いてると、ついつい、その姿を探してしまう」のだ。

 

なんだろう?

わりと子供の頃からで

蝉の鳴き声を聞くと立ち止まって

その木を見上げて

蝉の姿を探してしまう。

 

これが意外と簡単には見つけられなかったりする。

 

木の葉が幾重にもなっていると

なかなか木の表面も見えなくて

「あの辺だろう」と睨んだ場所がうまく見えなかったり。

 

この“適度に見つけにくい”ってのが実に良い。

 

「くっそ~、蝉め! そこにいることはわかってるんだ! どこにいやがる?」

って気持ちを煽ってくれる。

 

見つけたからどうっていうわけじゃない。

取って遊ぶつもりもない。

それで一山あてようというつもりもない。

(……どうやってだよ?)

 

先を急いでいるときなど

蝉を探してる場合じゃないのに

その姿を見つける欲求に負けてしまう。

 

蝉好きでも何でもないのに……

 

 *

 

自分でも不思議でたまらない、自分の欲求。

 

50歳になっても自分が理解できません。

 

 

 

では、また。