ども、ハードスケジュールなわりに体重が増加傾向にある岡田達也です。

 

 

 

『無伴奏ソナタ』

今日は10時開演、バラシ、東京移動となっている。

これまたえらくハードな一日だ。

 

今、毎日のスケジュールを確認することが怖い。

というかスケジュール帳を見るのが嫌になってきた……。

 

 * * *

 

連日、高校生たちの貸し切り公演をやっている。

 

あたり前のことだが、学校によって制服が違う。

男の場合、大きく分けて3つ。

・学ラン(詰め襟)

・ブレザー

・私服

 

僕は中高の6年間、ずっと学ランだった。

当時はそれが残念で仕方がなかった。

「なんてオシャレじゃないんだろう」とガッカリしていた。

 

他人の芝生は青かった。

いや

青かったどころじゃない。

僕の目には青すぎた。

 

あのときはとにかくブレザーと私服に憧れた。

 

 

ブレザーの良さはなんと言ってもネクタイ。

当時の僕から見れば、ネクタイなんて大人のシンボルだ。

ネクタイしているだけでブレザーの学校の生徒が3割増しで大人びて見える。

こいつらただの小僧なのに……

中身は僕と変わらないはずなのに……

なんかあいつらかっちょいいじゃないか!

それをどれだけ羨ましく思ったか。

 

 

私服の良さは単純明快。

毎日、自分の好きなものが着られること。

恥ずかしながら……

僕の中学高校の私服の歴史は

『VAN』『Kent』などのアイビー、トラッドを経て

『MELROSE』や『JUN』や『45rpm』などを着ていた。

(今の僕から見れば当時の自分など裸、もしくは500円のタンクトップで十分だ)

そんな“好きなもの”を着て学校に通えるのはちょっと楽しかっただろう。

 

 

比べて。

学ランはオシャレじゃない。

みんな真っ黒で

みんな同じ形で

とにかく個性がない。

だからみんな

長ラン、中ラン、短ランなど

上着の着丈で差別化をはかったり

スリム、バギー、ボンタンなど

ズボンのワタリと裾幅を変化させることで個性を求めていた。

 

 

今なら

今ならわかる

 

僕は馬鹿だった!

僕は青二才だった!

僕は何もわかっていなかった!

 

学ランは素晴らしい!

 

いい!

同じでいい!

 

毎日同じというのがどれだけ楽なことか!

 

ネクタイが大人びて見えるだと?

冗談じゃない!

ネクタイなんか締めなくていい。

もう僕は大人を通り越して、おじさんになったのだ。

これ以上大人びてどうする?

 

毎日好きなものが着られるだと?

冗談じゃない!

毎朝何を着て行こうか悩むなんてしんどいに決まってる。

それに手持ちの洋服が少ないとバリエーションだって作れない。

高校生に洋服を買い漁る経済力は無い。

 

毎日、何も考えずに、ズボンを履き、詰め襟に袖を通す

それがどれだけ有り難いことか!

 

若き日の自分よ

よく聞きたまえ!

 

何も考えないでいい

何も悩まないでいい

時間に困らないですむ

 

なぜ、その魅力に気が付かないのだ?

 

(……ズボラになっただけじゃないのか)

 

 *

 

裏地を玉虫色にし

(なんだ、玉虫色って?)

 

金ボタンをカチって留めるものを

(名前忘れた。表には出ないやつ)

上から順に

青たん、赤たん、猪鹿蝶

と花札で揃え

 

何をしまいたいのか知らないが

ありとあらゆるところに隠しファスナーを仕込み

 

そこまでしていた自分を叱ってやりたい。

 

「個性なんて着るものじゃなくて、中身で示せ」と。

 

 *

 

学ランの生徒さんたちよ

安心しろ

学ランもなかなか素敵なもんだぞ

けっして私服やブレザーを羨むでないぞ

 

 

……あれ?

 

……そう思っていたの自分だけかな?

 

 

 

では、また。