ども、いつだって浮ついている岡田達也です。

 

 

 

『無伴奏ソナタ』

通し稽古一回目が行われた。

 

上演時間は1時間50分。

普段ならまったく問題ない上演時間だけど……

今回は長野県の高校生たちに観てもらうステージが組み込まれている。

それは授業の一環であって、時間の制約もあるため、あと1分強は縮めようという話になった。

 

 *

 

僕が高校生の時は「演劇鑑賞」の授業は無かった。

(無骨な工業高校だったし)

でも、中学のときはあった。

そのとき観たのが『マタギ』という作品。

確か、熊を狙うおじいさんと孫の話だったと思う。

もちろん、僕ごときの記憶力では詳細などまったく覚えていない。

正直、そんなに感動したって記憶もない。

 

なんだけど

学校を離れ、みんなで鳥取市民会館に移動し、芝居を観るという行為が

いつもと違う何か特別な時間に感じられ

とてもワクワクしたことはハッキリと覚えている。

 

友達同士で、ちょっぴり、浮ついた感じ。

 

 *

 

『無伴奏ソナタ』の初演を観た後

僕は何も考えないで成井さんにポロッと言った。

「これ、毎年、上演すれば良いんじゃないですか?」

 

もちろん現実的に考えればそんなことは不可能だ。

 

そうではなくて

僕が言いたかったのは

“この作品は普遍的な面白さがある”

から

“いつどこで上演されても大丈夫ですね”

ってこと。

 

 *

 

今回、長野県からお誘いがあったとき

僕は成井さんに『無伴奏ソナタ』の上演を強く推した。

 

自分は『マタギ』の中身を何も覚えていないくせに

“今、高校生に観てもらうならこれが良いんじゃないか?”

なんて、おせっかいなことを思ったから。

 

 *

 

そう。

芝居の面白さを決められるのは観る側であって。

 

だから演る側は何も押し付けることはできないんだけど

それでもやっぱり昨日の通し稽古を観ていて

「これ、面白いなぁ」

「自分が高校生の時に観てたらどう思ったんだろうな?」

なんてことを想像した。

 

浮ついていた僕が言うのもなんだけど

是非とも多くのものが届くと良いな

……と思う。

 

 

あ。

もちろん、長野の高校生だけではなく、このお芝居を観てくださるすべての方に

ですよ。

 

 

 

では、また。