ども、MC岡田達也です。

 

 

 

ちょっぴり寂しいけど。

 

『キャラメルボックスTV 再び放送終了のお知らせ』

http://caramelbox.com/05_ctv.html

 

1998年にCS放送の演劇専用チャンネル「シアターテレビジョン」でスタートした、演劇集団キャラメルボックスの舞台映像をほぼノーカットのうえにトーク付きでお届けするレギャラー番組「CaramelBoxTV」。

その後、シアターテレビジョンの運営方針変更に伴って一旦中止となりましたが、2009年から現在の「ホームドラマチャンネル」で番組を再開して放送してまいりました。

ところがこのたび、そのホームドラマチャンネルの編成変更に伴って、2018年5月をもって、再びCaramelBoxTVは放送終了とさせていただくことになりました。

 

 *

 

一時期、僕もこの番組のMCを務めていたことがある。

 

当初、思ったものだ。

「え? 舞台映像を無料で配信するの? そんな出血サービスしたら誰も舞台を観に来てくれなくなるんじゃないの? いくら、どんぶり勘定の王様とはいえ、加藤社長、やりすぎなんじゃないか?」と。

 

いやいやいや

これに関しては僕の大いなる読み違いだった。

 

この番組でどれだけ多くの方にキャラメルボックスの存在を知ってもらえたことか。

 

そうだった。

僕も22歳で東京に来て、すっかり都会の生活が長くなってしまったので、ちょっと忘れかけていたが、地方都市ではそんなに簡単に芝居を観る機会は得られないのだ。

そんな方のためにも“気軽に接する機会”があるというのはとても大切なこと。

 

そして芝居に興味がない方が、流れてる映像を見て「おや? これはなんだ?」なんて引っかかってもらえれば有り難いことだし。

 

実際、そんな方が多いと聞いていた。

 

 *

 

僕の実体験にこんなのがある。

 

当時、明大前というところに住んでいた僕は

日曜日の朝、寝起きの顔で、ボサボサの頭で、近所の『松屋』に出かけた。

 

お気に入りの「牛焼き肉定食」の食券を買って、若い女性の店員さんに渡した。

 

数分後。

その店員さんがお盆に載せられた定食をこちらに運んできた。

 

と、彼女が言った。

「岡田さま、お待たせしました」

 

……ん?

……あれ?

 

今、名前を呼ばれたような気が……

 

もう一度言う。

寝起きだ。

頭なんかこれっぽっちも回っていない。

 

なぜ、ぼくは、まつやで、じぶんのなまえを、よばれているのだ?

 

え~っと

え~っと

空耳なのか?

それともこの人、知り合いだっけ?

もしかして松屋の新たなサービスはお客様の名前を呼びながら配膳するなのか?

いやいや、そんなわけないか……

 

なんとか頭を回そうとしているところに彼女がキラキラとした笑顔で言った。

「キャラメルボックスTV、いつも見てます」

 

ひょ

ひょ

ひょえ~~~~~!!!!!

 

そうだよね

そんなこともあるよね

 

ここで僕は重大なミスを犯してしまう。

 

ここでの正解は

「ありがとうございます」

「これからも見てくださいね」

「良かったら劇場にも来てくださいね」

とかって言えば良いのだ。

 

何を思ったか僕は言った。

「すみません」

 

おいおいおいおいおい!

誤るところじゃないだろ!

 

でもでも

言い訳させてもらえるなら

こんな体たらくな姿を見せてしまったことが、とても申し訳ないと思ってしまったのだ。

 

その日、僕はお気に入りのはずの牛焼き肉定食の味が、今一つわからないままお店を出た。

 

 *

 

見てくださっていた方

ありがとうございました。

 

有料にはなりますがネット配信などのサービスは用意してありますので、詳しくは上に貼り付けたお知らせを御覧ください。

 

 *

 

今日は松屋に行こうかな。

 

 

 

では、また。