ども、初日を迎える岡田達也です。

 

 

 

『スクアッド』

昨日は場当たり。

 

場当たりとは、いわゆるテクニカルリハーサルのこと。

 

劇場で、芝居と、音響と、照明が、初めて一つになる。

そのキッカケ稽古を場当たりと呼ぶのだ。

 

これがなかなか刺激的で楽しい。

「え? こんなふうになるの?」

「おおっ! こうやって仕上がるのか!」

その連続だったりする。

 

 

稽古場では芝居の稽古が行われる。

そこでは、役者が、ジャージ姿で、ひたすら、同じ芝居を繰り返している。

 

その稽古を観ながら、演出家や照明プランナーがいろんなことを想像する。

 

例えば

「あのシーンは夕方だから、ちょっとアンバーな色合いでいこう」とか

「あそこは雨が降ってるシチュエーションだから、雨の照明にしよう」とか

「あの場面は岡田達也が出てるのか。あいつ顔色が悪すぎていくら照明を明るくしても病人みたいなんだよな。仕方ないからピンフォロー入れるか」

などなど。

 

もちろん音響さんも同じ。

例えば

「あのシーンにこんな曲がかかっていたらよりカッコよく仕上がるんじゃないか?」とか

「あそこに必要なSEは銃の音と、刀の音と……」とか

「あの場面は岡田達也が出ているのか。あいつ、貸した金返してくれないんだよな。そうだ、 あいつのワイヤレスマイクだけ切っておこう」

などなど、いろんな思惑が混ざり合っている。

(……公私混同してるスタッフさんがいるな)

 

それが、ようやく、劇場で一つになる。

 

で。

ここから先は、あくまでも、僕個人の、感覚的な話。

 

役者は、基本的には、舞台の上で演技だけしてればいいはずだ。

それで間違いない。

そこに音響さん、照明さんが加わって、衣装さんが用意してくれた服を着て……

とうように

顔色が黒かろうが、腹の中が黒かろうが

なんとか舞台上で見栄えするよう、周りのスタッフさんが装飾してくれる。

 

そうなんだけど

ただただ“身を任せる”より

「ここはこんな明かりなんだ」

「ここにはこんな曲がかかるんだ」

と理解して“寄り添ったほうが良い”

……と思っている。

 

ちょっと待てよ……

寄り添うってのもずいぶんと抽象的な表現だな

 

う~んと、う~んと

言い換えるなら“味方につけたほうが良い”ってことだろうか?

 

「じゃ、具体的にどうすれば良いんだ?」って話なんだけど、それが難しくて……

強いて言うなら

「音や明かりを感じる意識を、日常より強めに持っておく」

ってことかも。

 

「それで何の得があるんだ?」と問われたら、これまた困るけど……

でもでも、絶対に損はしない。

僕の肌感覚、としか言いようがないが信じてほしい。

 

 

ただし。

「私が演技しているときは役に入りきっているので、そんなことを感じてる余裕はありません」

という人にはオススメしない。

また

「興が乗るとぜんぜん違う芝居になっちゃうんです」

というタイプの方にもオススメしない。

 

でも、そうじゃない、ごく普通の俳優さんが舞台をやるなら、悪くないですよ。

 

 

……あれ?

これ、俳優さんじゃないと何が何だかわからない話になってるな。

ご勘弁を。

 

 *

 

『スクアッド』

本日初日でございます。

 

有り難いことに前売り券は完売ですが、当日券は発売されるはずです。

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