ども、ノーベル賞に縁がない岡田達也です。

 

 

 

昨日は稽古休み。

キャラメルボックスの『夏への扉』を観に行った。

 

 

いつものことだが……

身内の話をするのは非常に悩ましい。

 

褒めたら褒めたで「それ、盛ってるんじゃない?」と思われそうな気がするし

かといって「この芝居はまだまだですね」なんて貶すわけにもいかないし

 

“言葉選び”が非常に難しいのだ。

 

正直に、感じたことを、誤差なく、伝える

 

それができればいいんだけど。

 

 *

 

『夏への扉』

とても面白かった。

 

まず、驚いたのが

7年前の初演と受ける印象が違ったこと。

 

正直に書く。

7年前、お芝居についていくのがやっとだった。

面白さを満喫するところまで行けなかった。

 

それは

僕自身が

横文字の名前(登場人物)と

横文字の会社名に弱い(覚えられない)

という、決定的な弱点を抱えているから。

それが大きな原因なのは理解している。

劇中に出てくるセリフを聞いても

「え? 誰それ?」とか

「あれ? それは何の会社だっけ?」

と、いちいちノッキングを起こしてしまい、スムースに流れに乗れない自分がいた。

(……おまえの頭が悪いだけじゃないのか?)

 

だから今回もちょっぴり心配していた。

置いていかれるんじゃないか?と。

 

ところが。

 

問題なくついていける。

スッと話が入ってくる。

だから物語を堪能できる。

 

驚いた。

 

客席で考えてしまった。

「ひょっとして、この7年間で、私の頭が良くなったのだろうか?」

 

いやいや、それはまずいぞ。

このままのペースで僕の頭が良くなったら、西暦3000年頃にはノーベル賞を受賞してしまうかもしれない。

俳優と、飲み屋の店主と、鳥取県知事を兼任するだけでも大変なのに、その上ノーベル賞までもらうなんて。

 

「やっぱり自分はすごい人間だったんだ!」

「でも、恥ずかしいからこの事実は自分の胸の中だけにしまっておこう!」

そんなふうに思いながら楽屋に行った。

 

 *

 

楽屋に行き、初演より面白く感じられたことを正直に伝えた。

 

すると筒井俊作が言った。

「そう言ってくださる方が多いんです」

 

そうなんだ

 

「もしかするとですが、初演のときって、僕も大きな役をやるのが初めてだったんで必要以上に力が入っていたのかもしれません」

 

あぁ、なるほど

確かに畑中智行も筒井俊作も今のほうが楽に演じているように観えたな

 

その“演者の精神的余裕”は間違いなく客席に影響を与えるものだ。

真ん中にいる2人の視界が広がってるんだとしたら、こんな心強いことはない。

 

 

 

大内厚雄も口を開いた。

「若干ですけど、セリフをカットしてあります。説明的な部分だったんで、よりわかりにくくなる可能性もあったんで心配していたんですけど、それが良かったのかもしれません」

 

この芝居の精神的支柱はこの男だろう。

 

そのお芝居に出演しているからと言って、キャスト全員がその物語を理解していることは、意外と少なかったりする。

大内厚雄は出演する作品において「これはどういう話で、自分の役割は何か?」について的を外さない。

 

 

はは~ん

 

そうか

そうなのか

 

演者たちの力だったり

脚本の整理だったり

初演で蓄えた財産だったり

それらをフルに活用できたこと

 

つまり

総合的な劇団力の上昇によって

面白さが、よりわかりやすく、客席に届いてるのかもしれないな

 

 

あれ?

とすると……

私の頭が良くなったわけじゃないのか……

 

 *

 

個人的なツボだったのが

島野知也の身体能力を活かした登場と

金城あさみ演じる『勤勉ビーバー』

2人ともナイスだった。

 

 *

 

オマケ。

今回のゲスト、少年社中の井俣太良くんと。

 

 

とても良い仕事をしてくれてました。

 

 

『夏への扉』

25日まで

サンシャイン劇場にて。

http://www.caramelbox.com/stage/natsu-eno-tobira/

 

よろしければ是非。

 

 

 

では、また。