ども、最近初めて動画を撮った岡田達也です。
『スクアッド』
稽古も佳境に差し掛かってきた。
芝居、アクション、アクロバット、歌……
まぁ、やるべきことがてんこ盛りにあるので、なかなかに大変だ。
中でも、立ち回りがかなりのボリュームを占めており、これを作るのには骨が折れる。
まずは演出家である米山くんのイメージが、30-DELUXの若者たちに伝えられる。
その若者たちが、いろんなパターンを試しながら構築していく。
基本的な形ができたら、米山チェック、そしてプロデューサーである清水くんチェックが入り、そこでOKが出たら、ようやく本役の俳優に手を移していく。
……という手順。
さて。
ちょっと想像してほしい。
30-DELUXの若者は鍛えられているので、とても丁寧に、わかりやすく伝達してくれる。
オマケに彼らがやると、どんな立ち回りだっていとも簡単そうに見える。
実に素晴らしい。
宇宙Sixの子たちは、アクション・芝居の経験は少なくとも、抜群の運動神経があるので飲み込みも早い。
しかも噂で聞くが「ジャニーズで生き残るためには、どれだけ早くコピーできるか」が勝負なんだそうだ。
鍛えられ方が違う。
それに職業が「アイドル」である。
“天性の魅せ方”ってやつを心得ている。
実に憎らしい。
問題は私だ。
自慢じゃないが、先月、五十路に足を突っ込んだ。
自慢じゃないが、生きてるだけで腰が痛い。
自慢じゃないが、バック転も、側宙も、背落ち(とんぼ)もできない。
自慢じゃないが、世界の川崎悦子(キャラメルボックスの振付師)に
「はい、じゃあ、今度はみんなだけで踊って!」
と言われても
「すみません! もう一回だけ、どうか、もう一回だけ、踊って見せてくださいませ! そうじゃないと僕は一歩も前に進めません!」
と泣きを入れるほど理解が遅い。
自慢じゃないが、セリフ覚えもどんどんスローダウンしている。
当たり前だ。
職業が「アイドル」ではなく「アルチュウ」なのだ。
年々、脳細胞が死滅しているので覚えが悪くなっている一方で。
当然、苦労する。
若者たちに迷惑をかけている。
何度も繰り返してもらって、やっとこさ、コピーしている。
ただし。
ここで時代が変わったな~、と痛感する。
「助かった」と心から思える。
スマホで、簡単に、動画が、撮影できるのだ!
ちゃんと若者が動画を撮り、すぐにライングループにアップしてくれる。
そうすると、完全にできていなくても、なんとなくさえ掴めていたら、あとは自分で修正できる。
時間泥棒にならなくて済む。
これは大きい。
昔は、動画なんて撮影できなかったから、できるまで繰り返すしかなかった。
自分のためだけに稽古時間を割かせるのは本当に心苦しいものだ。
稽古場を、自分の不出来のために、専有してしまっている……
そのプレッシャーで、脳みそも身体も停止してしまうというのは、俳優にありがちな話だ。
30-DELUXの若者も
宇宙Sixのメンバーも
先ほどやった動きを、パッと動画を見てイメトレする。
稽古場でみんながスマホを見て勉強している。
すごい時代になったものだ。
おじさんも付いていかなければ。
*
本日は稽古休み。
繰り返し動画を見て置いていかれないようにしよう。
それから『夏への扉』を観に行こう。
では、また。