ども、緊張しぃの岡田達也です。
『アンフェアな月』
稽古終盤に差し掛かっている。
ってことは単純に初日が近づいてるわけで
ってことは嫌な夢を見る日が増えてきてるってことでもある。
どういうわけか初日が近くなると
「セリフを覚えてないのに無理やり舞台に立たされる」
「本番中、早替えなのに自分の衣装が用意されてなくて、真っ裸で楽屋を走り回って衣装を探すが、結局出番に間に合わなくて出とちる」
「上川隆也先輩の構えた銃が小道具ではなく本物にすり替わっている」
など、後から聞けば笑えるが、その瞬間は冷や汗3リットル流すくらいの思いをして目が覚める。
プレッシャーなんだろうなぁ
誰に頼まれてるわけでもないのに、勝手に感じてるんだよなぁ
これがキツいんだなぁ
*
「稽古は本番のように、本番は稽古のように」
演劇界にはそんな格言がある。
とても名言だと思う。
そんな姿勢で稽古や本番を過ごせたら、どんなに良いだろうとも思う。
だけど……
“ノミの心臓を持つジャイアン”と呼ばれる私は、そこに行けない。
「稽古こそ本番と同じ緊張感を持ってやる」ことは大事だし
そのように心がけてはいるけど
やっぱり稽古は稽古であって
つまりは
いろいろと試せるし
失敗しても次に活かせば良いだけだし
言い換えれば
“稽古でダメだったとしても死にはしない”から
心の何処かに、ちょっとだけ、余裕らしきものが持てる。
が。
稽古を重ねていって
ランスルーとか通し稽古とか
本番に近い形の稽古になってくると
もうダメになる。
ノミの心臓のくせに、やたらと心音が大きくなって、バクバクするのがわかる。
僕の普段の血圧は上が100くらいだが10,000を超えてるのがわかる。
(……たぶん死ぬよね?)
今までやってきたことを信じて
単純に、積み上げて、掘り下げて
なんて作業をすれば良いだけのことなのに。
それだけなのに。
“ミスをしてはいけない”という要素が一つ加わるだけで、気持ちが別人のようになってしまう。
↑ここなんだなぁ、ここ。
もちろん、そういうプレッシャーと戦っているのは自分だけじゃないはずで、だから踏ん張らなきゃいけないのはわかってる。
ただ、とてもキツいのは
“歳を取ればとるほど、それが大きく感じられる”
ってこと。
初舞台のときも多少なりとも緊張してたし
でも、きっとキャリアを重ねれば消えていくのかと思ってたけど……
真逆じゃねーか!
緊張感、増す一方だよ!
血圧が20,000を超えそうだよ!
(……絶対に死ぬよね?)
……
……
すみません
ただの愚痴です
本番が近づくとね、いつもこうなるんですよ。
*
「稽古は本番のように、本番は稽古のように」
まだまだその境地には行けないけど諦めないでいよう。
ひょっとすると
いつの日か
遠い未来に
何かのはずみで
「あれ? まったく緊張しね~! 芝居、楽し~! フォ~!」
みたいなことになるかもしれないし。
一生、こないな……
では、また。