ども、煩悩と悩みが混乱している岡田達也です。

 

 

 

「人類が生んだ最高傑作」

などと演劇人の先輩たちに呼ばれている私だが

そんな私にも悩みがある。

 

いくつかある。

 

いや、

いくつもある。

 

いや、

普通の人より多いと言っていいかもしれない。

 

 *

 

どうやら人の脳というのは常に回転しているらしい。

 

昨日、稽古場に向かいながら

初めは頭の中でセリフをブツブツと繰り返していたのに

いつの間にか

「最近の自分の悩みってなんだっけ?」

という話題にすり替わっていた。

 

恐るべし、人間の脳である。

(恐ろしいのはおまえだよ……)

 

また、その内容が非常に薄いのだ。

もっと、こう、何と言うか

スケールの大きな悩みならともかく

「……それで?」

と言いたくなるようなものばかりだ。

 

箇条書きで並べてみよう。

 

 *

 

1 稽古に行く前に『富士そば』というチェーン店でそばを食べていくことが多い。今の季節は寒いので温かいそばを食べたくなる。温かいおつゆで体も温めたい。だが、今、自分の中で、どうしようもないくらい「ざるそば」が流行っている。で、いつも券売機の前で2秒悩んで、結果ざるそばのボタンを押してしまう。温かいおそばが食べたいのに……。

 

2 知り合いの俳優がインフルエンザにかかったらしい。「予防接種してなかったの?」と聞くと、ちゃんと打ったというではないか。どうやら型が外れたそうだ。そう、インフルエンザには型(種類)があるので、ワクチンを打っても絶対ではない。ならば毎年打ってる自分もあまり意味がないのではないか? そんな気がしてきた。だって3,500円も払ってるのだ。富士そばのざるそばが11杯食べられて、しかも200円お釣りが来る金額だぞ。そこで考えた。もしもインフルエンザにかかったら、返金してもらえる制度を作るのはいかがだろう? おおっ、悪くないアイディアだぞ。誰か立ち上げてくれないだろうか?

 

3 今に始まったことではないが……。家では完璧に覚えたはずのセリフが、不思議と稽古場では出てこない。昔、安生洋二選手(UWFインター)が「僕でも200%勝てますよ」という言葉を吐いて話題になったことがある。負けじと私も「家の中では200%言えますよ」とうそぶいている。だが稽古場では、頭の中の台本を必死でめくらなければ何も出てこない、相手役の顔なんか見てられない、ひたすら斜め上を見て、空中に浮いてる台本と格闘する、という摩訶不思議な現象が起こっている。……誰か暗記パンを売っておくれ。

 

4 痛風対策が悩ましい。人間ドックの結果以降、尿酸値を下げるために涙ぐましい努力をしている。まずはビールを減らしている。減らすというかほとんど飲んでいない。そして「プリン体と戦う」と言われている『PA-3』という乳酸菌を飲んでいる。それからお酒と同じだけの水を飲むようにしている。結果、トイレが近くなった。尿酸というのは尿から排泄させれば下がるので、おしょんしょん(小便のこと)が近いのはとても良いことなのだが、電車に乗ってても、芝居を観てても、ちょっと不安になるくらい近い。これで再検査して数値が下がってなかったら間違いなく暴れる。

 

 *

 

……小さい。

 

こうして書き並べてみると

自分でも驚きの小さな悩みばかりだ。

 

そうか!

気付いたぞ!

今、私の、一番の悩みは

「せめて悩みの内容をもっとカッコよく意味のあるもにしたい」

これで決まりだ。

 

 

……すみません

これでも真面目に生きてるんです。

 

 *

 

『アンフェアな月』

今日も粗く通してみる予定です。

 

 

 

では、また。