ども、大王ファンの岡田達也です。

 

 

 

芝居ってのは、いろんな“しゃぶり方”があると思う。

 

面白かったら

一緒に行った友人と「面白かったね!」と語りあう

もしも一人で行ったなら頭の中で「面白かったなぁ」と反芻する

 

つまらなかったら

一緒に行った友人と「つまらなかったねぇ」と語り合う

もしも一人で行ったなら心の中で「失敗したなぁ」と反省する

 

など

どんな楽しみ方でもいいと思う。

触れてさえもらえれば。

 

「語られない」

「思い出してもらえない」

というのが一番つらい。

 

「岡田達也、最悪。観なかったことにしよう」

こんな“ゴミ箱に入れてフタをされたような”感想を抱かれた日には泣いちゃう。

泣くだけではなく、背中に隠してある秘密のボタンを押して自爆する予定だ。

 

逆に。

ずっと、ずっと、語りたい

あるいは

ずっと、ずっと、語れる芝居ってのもある。

 

僕には3本のフェイバリットな芝居がある。

 

演劇集団キャラメルボックス

『ハックルベリーにさよならを』

(1991年 シアターモリエール)

 

カクスコ

『廊下は静かに!』

(1993年 シアタートップス)

 

遊気舎

『ダブリンの鐘突きカビ人間』

(1996年 ザ・スズナリ)

 

『ハックルベリーにさよならを』は

まさしく“人生を変えた芝居”であり

この作品に出会ってなければ、僕はキャラメルボックスに入団してなかったし

おそらくこうして俳優業を続けていなかっただろう。

 

『廊下は静かに!』は

“憧れの芝居”であり

いつの日か、こういう作品に出てみたい、やってみたい! と思わせてくれた。

カクスコは解散してしまったけど

その後、井之上隆志さんと共演できたことは幸せだった。

 

そして……

『ダブリンの鐘突きカビ人間』は

“もっとも衝撃を受けた芝居”であり

この作品で、僕は後藤ひろひと大王、そして久保田浩さんの大、大、大ファンになった。

 

 *

 

僕は、ちょいとひねくれたところがあるので

「笑えたから面白い芝居」

「泣けたから良い芝居」

というふうに定義しない。

 

あたり前のことだけど

大事なのは“僕にとっての面白さ”であって

だから

世間の評判と僕の感想が合致しないことも多々ある。

 

そういう意味において、後藤ひろひと作品は完璧なのだ。

 

僕が、笑って、泣ける

 

客席で腹を抱えて笑い

客席でダーダー泣く

 

『ダブリンの鐘突きカビ人間』もすごかったが

その後観た

『FOLKER』

(1999年 近鉄アート館)

は、観終わったあと客席で

「俺はすごいものを観てしまった!」

と叫びたくなったのを覚えている。

 

 *

 

昨日、久し振りに大王の作品を観に行った。

 

T-works #1

源八橋西詰

 

やっぱり僕はこの人の作品が好きだと再確認。

自分が生きてるときに出会えて良かった。

 

テアトルBONBONという小さな劇場で

大王と久保田浩が会話してる。

それだけでも十分に痺れた。

 

当時の遊気舎ファンの方には是非観ていただきたい。

 

 *

 

 

久保田さんと。

ラブコールを送り続け『猫と針』に出演してもらったのも懐かしい思い出。

 

 

 

では、また。