ども、昭和生まれの岡田達也です。

 

 

 

まただ。

昨日、小多田直樹といつものお店に入ると

超常連客のペラ兄がいた。

 

 *

 

先日の日記で、僕はペラ兄のことをこんなふうに紹介した。

「年齢は46歳

風貌が独特で

ジョニー・デップと、マイケル・ジャクソンと、橋本さとしさんという

“本当はカッコイイはずの男たち”をかけ合わせてみたら

“死ぬ間際の疫病神”みたいになってしまった感じ。

週7日(つまりは皆勤賞)で店に通い

γ-gtpの数値は三桁に到達し

僕より若いくせに「おかだっ! おかだっ!」と呼び捨てにしてくる男」

 

イメージが湧かないと言われたので今日は写真を貼り付けておく。

(撮影 小多田直樹)

 

こんな“ペラペラの疫病神みたいな男”ではあるが

これでなかなか男気がある。

 

 *

 

先日、竹鼻優太を連れてこのお店で飲んだとき。

 

竹鼻に実家(岩手の盛岡)にはいつ帰るのか聞いたところ……

「30日にお兄ちゃんが車で帰るので乗せていってもらいます!」

 

「そいつは良かったな」

 

「しかも年明けも送ってもらえることになりました!」

 

「交通費も浮くし助かるな」

 

「はい! だから実家にはお年玉をもらいに帰るようなものです!」

 

僕の動きが止まった。

「……お年玉がもらえるのか?」

 

「はい! もらえると思います!」

 

「……あぁ? ナメてんのか小僧?」

 

竹鼻が何歳なのかは知らない。

おそらく20代の前半だろう。

まだ何者にもなれていない、舞台俳優の切れっ端みたいな存在だが

それでもすでに舞台に立ってるのだ。

少なくともプロの演劇人である。

 

おまえにお年玉をもらう資格はないぞ

 

これはお説教だな

そう思っていると……

 

ペラ兄がゲンコツを竹鼻の頭に振り下ろした。

 

「イテーっ!」

竹鼻がナイスなリアクションをした。

 

断っておくがこの2人、初対面だ。

 

ペラ兄が口を開いた。

「優太、優太!」

(……なんで俺のことは「岡田」って呼び捨てなのに、竹鼻は優太なんだ?)

 

「おまえなぁ、もうその年齢なら、お年玉はもらうんじゃなくて、あげるもんだろ!」

(おぉ、その通りだ。いいぞペラ兄)

 

「どうせ金は無いんだろうけど、金額の問題じゃねーよ! 5千円とかで十分だよ! 「これでご飯でも食べて」で良いんだよ! 気持ちの問題だろ~が!」

そう言ってもう一度、竹鼻の頭にゲンコツを食らわせた。

 

「イテーっ!」

竹鼻が再び叫んだ。

 

僕は笑った。

「そうだぞ、おまえがもらってどうする?」

 

「はぁ、すみません……」

 

ついでにお灸も据えておこう。

「そんなこっちゃ、いつまでたってもいい俳優になれないぞ」

 

「はぁ」

 

ペラ兄が最後にゲンコツを振り上げながら言った。

「覚えておけよ!」

 

竹鼻が叫んだ。

「ひ~! もう、ここ(さっき叩かれた場所)は、ここは止めてください! ここだけは!」

 

ペラ兄は爆笑しながらゲンコツを解いた。

 

 *

 

ペラ兄も僕も昭和すぎるんだろうか?

 

いや、やっぱりこれでいい

竹鼻、覚えておいてね

大事なことだぞ

 

 

 

では、また。