ども、米進出を検討中の岡田達也です。

 

 

 

飲み屋にはいろんな種類の酔っぱらいがたむろしている。

 

「酔っぱらい」と聞くと嫌な印象を抱く人が多いと思う。

もちろん僕も質の悪い輩(やから)は苦手だ。

だけど、陽気で、面白い、酔っぱらいもいたりする。

そんなのに会うといっぱい笑えて楽しいものだ。

 

例えば昨日会った、通称・ペラ兄(にぃ)がそうだったりする。

 

 *

 

『ティアーズライン』のバラシを手伝い

荷降ろしを終えた僕と竹鼻優太でちょいと飲もうという話になった。

向かったのは僕の行きつけの焼き鳥屋だ。

 

店に入ると超常連客のペラ兄がいた。

年齢は46歳

風貌が独特で

ジョニー・デップと、マイケル・ジャクソンと、橋本さとしさんという

“本当はカッコイイはずの男たち”をかけ合わせてみたら

“死ぬ間際の疫病神”みたいになってしまった感じ。

週7日(つまりは皆勤賞)で店に通い

γ-gtpの数値は三桁に到達し

僕より若いくせに「おかだっ! おかだっ!」と呼び捨てにしてくる男。

なんで「ペラ兄」と呼ばれているのか聞いたこと無いが、おそらく体がペラペラだからだろう。

とにかく濃ゆい。

僕は何度も一緒に飲んでるから問題はないが

初めて出会う竹鼻はその強烈なキャラにかなり驚いていた。

 

 

そのペラ兄が20年ローンで家を買うという。

僕は素直に感心した。

「すごいなぁ。その歳で家を買うなんて」

 

「おかだっ! ばかやろう! このやろう!」

ペラ兄はすでに仕上がっているらしく、たけしのような、猪木のような口調だ。

 

そして彼のトーンは熱を帯びていく。

 

「おかだっ! おまえはいくつになるんだよ!」

 

「もうすぐ50だよ」

 

「そうだろ! おまえはもう片足棺桶に突っ込んでんだよ!」

 

「……(γの値が100を超えてるおまえに言われたくないよ)」

 

「俺はなっ、おまえのことが、意外とおもしろいヤツだと思ってんだよっ!」

 

「……(意外は余計だよ)」

 

「さっさと売れろよ! ばかやろう! それで家を建てろよ!」

 

「 ……(あ~、よくある「テレビに出ろ理論」ね)」

 

「テレビじゃねーぞ!」

 

「……(あれ? 違うんだ)」

 

「そんなところに収まるなよ!」

 

「?」

 

「アメリカ行けよ!」

 

「?」

 

「おまえ英語勉強してるかっ?」

 

「……いや、してないけど」

 

「おかだっ! ばかやろう! おまえなんで英語をやってないんだよ!」

(と蹴りを入れてこようとする)

 

「?」

 

「おれはなーー」

 

「何?」

 

「ハリウッドに行けって言ってんだよ!!!!!」

 

「……」

 

「飛び込めよ、アメリカに!」

 

「……」

 

「おまえ、意外と面白いんだよ!」

 

「……(だから意外は余計だろ)」

 

「俺はいけると思うぜ!」

 

「……(俺の芝居観たことね~だろが)」

 

「ユー、行っちゃいなよ!」

 

「……(なんでジャニーさんみたいになってんだ?)」

 

「ハリウッドに!!!」

 

「……」

 

「あとな!」

 

「?」

 

「おまえ、ネコ好きか?」

 

「好きだよ」

 

「本当に飾ってくれるならこれをやる!」

 

そう言ってペラ兄が差し出したのが……

 

楽しい酔っぱらいもいる。

 

 *

 

横にいた竹鼻はひたすら笑っていた。

それでいい。

 

他人様に迷惑をかけないで

(ここが大事)

楽しく飲む酒が一番。

 

 

ペラ兄よ

俺がハリウッドで売れたら焼き鳥ご馳走するよ。

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

キャラメルボックス

『ティアーズライン』

無事に東京公演を終えました。

残すは明石です。

関西方面のみなさま、お待ちしています。