ども、豚キムチうどんが食べたくなった岡田達也です。
藤井聡太四段がやってしまった。
前人未到の29連勝。
さらにはあの落ち着いた、それでいて身の詰まったインタビューの受け答え。
それを14歳という年齢で。
ひたすらに感心する。
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誰にも頼まれていないが一応比較しておこう。
私は49歳だが何の段位も持ってない。
柔道、剣道、書道、囲碁、将棋……
一切の道を極めていない。
人生で何か連勝したことがないか思い返してみたが何一つ浮かばなかった。
パチンコで29連チャンしたことはあるが、連勝と連チャンは似てるようで非なるものだ。
私が14歳のとき、世間は校内暴力の嵐が吹き荒れていた。
毎日を無事に生きていくのに必死で、落ち着いている暇など一瞬も無かった。
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このように藤井四段とはかけ離れた人生を送っている私だが、これでも一応将棋は指せる。
小学生のとき父親・隆夫さんから教わったのだ。
駒の動かし方を教わり、ルールを教わり、なんとなく指し始めた。
もちろん隆夫さんに敵うはずもなく、飛車角落ち(ハンデ戦)で戦っても全く歯が立たなかった。
ここで、思う。
息子に強くなってもらうように、手引するとか、コーチするとか、何か育て方はあったはずだ。
だが隆夫さんは言った。
「おまえは将棋に向いてないかもな」
ここまではいい。
ここまでは許せる。
息子を谷底に突き落として這い上がらせる作戦かもしれないし。
しかし。
次に出た言葉に耳を疑った。
「どちらかといえば競馬向きかもな」
……え?
……将棋に向いてなくて、競馬に向いてる?
普通、将棋がダメなら、囲碁とか、チェスとかじゃないのか?
もう少し難易度を下げてオセロとか。
並べるべきものは他にあるだろ?
なんだ、競馬って?
*
その後、隆夫さんは僕と将棋を指すことはなかった。
あのとき
もしも、隆夫さんが手取り足取り将棋を教えてくれていたら
せめて、僕の相手をしていてくれれば
ひょっとすると
今頃僕は竜王戦で藤井聡太四段を迎え撃つ立場にいたかもしれない。
つくづく惜しいことをした。
*
良い子のみなさん
このような「たら」「れば」の使い方を絶対にしてはいけません。
これは完全に「人生の敗者特有の言い回し」ですから。
さて。
四段はどこまで勝ち続けるんだろう?
将棋の下手な僕でも気になるところだ。
では、また。