ども、帰ってきた岡田達也です。
“再演で同じ役をやる”のではなく
“違う芝居で同じ役をやる”というのは貴重な経験だ。
例えば。
25年在籍しているキャラメルボックスでもその機会は稀で
『また逢おうと竜馬は言った』
『裏切り御免!』
という芝居で「坂本龍馬」を
『スケッチブック・ボイジャー』
『ブラッグ・フラッグ・ブルース』
という芝居で「ダイゴ」という宇宙刑事を演じたときくらいのものだ。
(坂本龍馬と宇宙刑事を演じてるなんて。芝居って何でもありだな……)
そして今回。
2年前の『世襲戦隊カゾクマン』に引き続き、その続編で「怪人・男前男」を演じる。
(いや、何だよ「怪人・男前男」って? ホントに芝居って何でもありだな……)
乱暴に言ってしまえば
新作の場合は、脚本における自分の役割と、キャラクターを同時に探さなければならない。
再演で同じ役をやる場合は、それらをより深める作業をしなければならない。
で、今回の場合はそのどちらとも違う。
昨日。
稽古場で初めて自分の登場シーンをやったのだけど。
セリフを口にした瞬間、「あ、こんな感じだった……」という肌感覚が蘇った。
2年前、体に染み込ませたキャラクターがひょっこりと顔を出してきて、自分で自分を勝手に懐かしんでるような感じ。
「おぉ! 最初の立ち稽古なのにブレてないぞ、自分!」
自分だけじゃない。
カゾクマンを演じる5人も、悪の親玉「ミドラー」を演じる西山水木さんもそう。
みんながセリフをしゃべるだけでも思わず笑ってしまう。
「あぁ、愛すべきおバカなキャラクターたちが帰ってきた」と。
それがとても幸せだった。
*
いやいや
けっして自画自賛してるわけではないですよ。
もちろんお客さんに楽しんでもらうために頑張ります。
でも、今だけ
稽古序盤だけは
自分もお客さん目線で楽しむことを許してくだされ。
男前男ではありません。
初演のとき、田中真弓さんの家で飲んだときの写真です。
……何だ、この被り物?
*
前作を観てなくても大丈夫。
愛すべきキャラクターたちに会いに来てください。
お待ちしています。
では、また。