ども、「二人合わせて……」「合わせなくて良いんだよ!」というツッコミが大好きだった岡田達也です。

 

 

 

『花火の陰』

昨日も通し稽古。

前回よりちょっぴり上演時間が長くなってしまったので、なんとか短くできるようにみんなで削っていこうと話し合う。

 

ついでで良いのだが

できれば私の脇腹の肉も削りたい。

それから私のエンゲル係数も削りたい。

さらには私の尿酸値も削りたい。

……どうやら私には削りたいものが多いようだ。

 

 *

 

昨日の稽古に保村大和くんが見学にやってきた。

 

保村大和

『惑星ピスタチオ』のメンバー。

キャラメルボックスで1994年に上演したアナザーフェイスvol3

『俺たちは志士じゃない』

にも出演してくれた。

 

この日記の読者の中に、あの公演を生で観られた方はいらっしゃるだろうか?

あのときの腹筋善之介、保村大和、佐々木蔵之介の破壊力は凄まじかった。

 

僕は今でもあの公演のことが忘れられない。

 

アナザーフェイスというのは、他劇団との異文化交流的な意味合いで行われていた公演だった。

あのときは惑星ピスタチオとタッグを組む事が決まり、最初は男優3人と平和堂ミラノさんの4人をゲストでお招きする、という予定だった。

しかし。

惑星ピスタチオの作・演出である西田シャトナーさんが

「オブザーバーでも何でも良いから自分も参加させてくれ。そうでなければアナザーフェイスの意味が無いでしょ?」

と、半ば無理やり加わってきた。

 

今だから笑って言えるが、シャトナーさんは完全にキャラメルボックスに喧嘩を売りに来ていたのだ。

それぐらいあの頃のシャトナーさんは尖っていた。

 

あのとき彼らはウィークリーマンションに宿泊していたのだが、毎夜毎夜、シャトナーさんの部屋に集合して、その日の稽古の反省会と、翌日の稽古の方針を延々話し合っていたそうだ。

それを聞いた僕は、たまには息抜きも必要だろうと、翌日が稽古休みの日に腹筋さんと大和くんを我が家に招き、泊まらせた。

「シャトナーが面倒くさいヤツでごめんなさい」

「いえいえ。成井さんのダメ出しがわかりにくかったら何でも訊いてくださいね」

親分たちが戦っている中、役者は役者たちで気を使いあっていたのだ。

僕たちは浴びるほど酒を飲み、大いに語った。

 

 *

 

昨日の飲み屋で思いっきりそんな昔話に花を咲かせ笑った。

 

僕は、苦労話が笑い話に変わっていくのが大好きだ。

笑い話にすることで元を取らなければ、そうでなければ、人生は楽しくないと思っている。

 

今、大和くんは目の病気を患い、ほとんど視力が残っていない。

そんな今でも舞台に立ち続ける精神力。

そして、そのことすらも笑い話にしてしまう彼のエンターテイナーぶりはあの頃のままだ。

 

 

大和くん

バカ話に付き合ってくれてありがとう。

それからステキな感想をありがとう。

 

別れ際、大和くんが言った。

「俺な、たまに言われんねん。「大和さん、ファンでした!」って。そのたびに「でした」って何やねん!過去形かい!こっちはまだ現役でやってんねん!って(笑)」

 

うんうん

わかるよ

 

お互い、現在進行形でいこうな。

 

 

 

 

では、また。