ども、意外と悩み事が多かった岡田達也です。
『花火の陰』
稽古も残すところ3日。
今回、元・MOTHERの宮吉康夫さんと初めて共演する。
知り合ったのは15年ほど前。
なのに初共演。
先輩に対して失礼を承知で……
あぁ、宮吉さんはお芝居が好きなんだなぁ、と改めて思った。
*
役者というのは、僕を除いて、みんなデリケートにできている。
だからよく悩む。
芝居と演技について、とにかく悩む。
悩むのが仕事と言って良い。
僕もちょいちょい悩む。
が、僕の場合、悩みの内容が「尿酸値」と「腰痛」と「今日、何を食べるか?」だったりする。
……ダメだ。
役者として大いに失格である。
というか人間失格である。
本番前のこの時期は苦しい。
とくに新作を作ってるときは苦しい。
不安の波がやってくる。
それは
「その芝居の正解なんて誰にもわからないから」
これに尽きる。
演出家だってやってほしい世界観はあれど、それがお客さんに受け入れられるかどうかなんて幕が開かなければわからない。
役者は役者で
「脚本に書いてある意味ってこういうことかな?」
「演出家のやってほしいことってこれで正しいのかな?」
という自分以外の要素を抱え込んだ上に
「自分のやりたいことはこう」
という、とっても面倒くさいものをミックスさせて提示しなければならないのだ。
しかも、それが魅力的に見えるように。
そりゃ、悩むし、不安にもなる。
*
今回の現場はラッキーだった。
宮吉さんがいたから。
先輩は稽古を見ている。
誰よりも見ている。
ニコニコしながら。
穴が空くほど。
そして
何か気付いたことがあれば後輩たちにそっとアドバイスし、
何かを訊けば真摯に答えてくれる。
そんな最年長が座組にいてくれるなんて、こんな心強いことはない。
不安や悩みが消えて無くなることはないけど、それでも頼れる先輩がいるというのは大きい。
後輩は「この人がいれば大丈夫」という、実に無責任な安心感を抱けるから。
先輩は迷惑だろうけど。
ありがたや、ありがたや。
*
知り合って15年。
共演できて良かった。
宮吉さんの魅力をちゃんと知ることができて。
さあ、今日も悩もう。
悩んで先輩に相談に乗ってもらおう。
……え?
もちろん芝居についてですよ
今日の昼ごはんじゃないですよ
何言ってるんですか?
では、また。