ども、密かにドキドキしていた岡田達也です。

 

 

 

『スキップ』

昨日は仕込み初日。

いつもの劇団公演なら仕込みもバリバリに活躍するのだが、今回はプロデュース公演。

お休みをいただいたので

京都の山奥にタケノコを掘りに行くか

秋田にきりたんぽを食べに行くか

新しくできたレゴランドジャパンに出かけレゴブロックでラクダをつくるか

はたまた

一日中家の中をスキップしているか

とても浮かれて悩んでいた。

が、次回出演作の読みあわせがあるというのを思い出したので、どこにも行けなかった。

 

 *

 

「読み合わせ」というのはなかなかに緊張する。

劇団の読みあわせでも緊張するのだ。

プロデュース公演となればなおさらだ。

周りを見渡せば知らない人ばかり。

 

ここで僕の小さな胸は震える。

(……小さかったか?)

 

僕の弱気の虫が騒ぎ出す。

(……後輩が聞いたら暴れるぞ)

 

整理してみよう。

私の考える「舞台俳優、本読みあるある」を。

 

・読み合わせするときの声の大きさがわからない

キャラメルボックスだと大きい声でしゃべらないと怒られるので一律にデカい。

これはこれで安心だ。

出すべきボリュームがわかっているから。

しかし、他の現場でそうはいかない。

「あいつあんなに声がデカいぜ。うるせーんだよ。劇場に見合った芝居知らねーのかよ?」

そう思われるんじゃないか?と不安で不安でしょうがない。

実際、昨日初めてお会いした元・宝塚の大鳥れいさんも同じことを言っていた。

「私は「バーンっ!」てやる劇団にいたから(笑)、何事も大きくて。どの大きさが正解なのか未だにわからないんです(笑)」

わかる。

その気持ちとてもよくわかる。

 

・読み間違えが恐ろしい。

初見の場合は予習ができない。

となると、その場で初めて目にする文字を読むことになる。

問題は「漢字」だ。

たまに、ごくたまに、難しい漢字が出てくる。

ここをサラッと読みたい。

読み流したい。

そうすれば「おおっ、あいつあんな難しそうな文字も読めるのか。なかなかやるな。オレのライバルに認定しよう」と思ってもらえる可能性も出てくる。

(絶対にないよ)

しかし、わからないものはわからないのだ。

とくに地名なんかでは何度も地雷を踏んできた。

「そんな読み方するんかい!」と心の中で何度ツッコんだことか。

 

・読み間違えが恐ろしい。

初見の場合は予習ができない。

となると、その場で初めて目にする文章を読むことになる。

問題は「感情」だ。

このセリフが楽しいのか、悲しいのか、苦しいのか……

わからん。

何もわからん。

そりゃ、とりあえずは書かれていることを読むしかないので表層的に追いかける。

「腹が減った」と書かれていれば“腹減った“というような音を出す。

しかし。

それが「一週間、寺にこもって絶食した後」なのか、うちの親父のように「起きてる間中呟いてるただの口ぐせ」なのか、「普通に腹が減ってる」のかは全部読まないとわからないのだ。

(全部読んでもわからないときもあるけど)

的外れな音を出してるんじゃないか?という恐怖。

これはドキドキする。

 

・できることならセリフを噛みたくない

これはね、もう、俳優なら当たり前の心理だと思われる。

唯一特例として。

「甘いマスクと甘い滑舌」で売っている三浦剛などが、あまりに流暢にしゃべりだしたら、「おいおい、こりゃ帰り道は嵐か?」と心配になるので、彼には初見の本読みに関してはいつまでも甘めでいってもらいたいが。

 

 *

 

基本的なポイントはこれくらいだろうか?

俳優さんの中には「わかるぞ、岡田達也!」という人もきっといると思う。

 

初見なんだから間違ってて良いはずなんだけど、それでも失敗したくないというプライド。

我ながら「小さい男よのぅ」と思ってしまう。

ま、人間ってそんなものですよ。

 

 *

 

チラシができました。

 

 

 

ハルベリーオフィス特別公演

『花火の陰』

岡田達也扱い専用予約フォーム

https://www.quartet-online.net/ticket/fireworks?m=0bhedcj

 

よろしければご利用ください。

 

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さて、今日から劇場に行ってきます。

 

 

 

では、また。