ども、セリフ音痴な岡田達也です。
プロ野球の世界では「3割打てば上々」と言われる。
(野球がわからない方、ごめんなさいね)
*
『スキップ』
昨日は一回目の通し稽古。
今の世の中、大変便利になっていて、その通し稽古の映像が即座にYouTubeにアップされてて、すぐさま視聴できる。
(もちろん、みなさんは見られませんよ。あしからず)
立ち飲み屋で若竹煮をつつきながら見た。
う~ん……
そうか……
若い頃、自分の演じている映像を見て腰が砕けそうになったことがある。
「待て待て待て!!!」と叫びそうになった。
「なんじゃ、そりゃああああぁぁぁ!!!」と画面に向かて石を投げそうになった。
それぐらい“自分が思い描いて演じている姿”と“実際に表現されていることのズレ”が大きいのだ。
「ちがう、ちがう!そんなつもりでそのセリフを言ってるんじゃない!」と叫んだこともある。
が。
キャリアを重ねていくうちに、そのズレは少しずつ少なくなってきた。
最近は以前ほど酷くはない。
昨日も、箸でつまんでいた筍を落とす、というようなことはなかった。
しかし……
どうにもしっくりこないセリフがある。
いや、全体的に言えば自分がやりたいことは大体見えてきている。
見当違いなことをしてるとは思わない。
なんだけど。
自分が欲しいセリフの音色と違うものがあるのだ。
「あれ?そんな音で外に出てるの?」というズレ。
野球で言うなら「バットの芯で捉えられてない」感じ。
これが。
なんとも悔しい。
ボテボテのゴロでも前に飛んでれば足で稼いでヒットにできる可能性はある。
だけど、やっぱりクリーンヒットを打ちたい。
センター前でも、三遊間を抜くでもいい。
*
明石家さんまさんは自分が出演している番組を録画して見るのが大好きだそうだ。
そして自分を見て思うらしい。
「こいつ、天才ちゃうか!」と。
そんな羨ましい気持ちで自分を見られる日は来ないだろう。
だけど、せめて、せめて、「これならば仕事はできている」と思いながら自分自身を見られるようにはなりたい。
*
野球選手は最初から3割を目指しているわけじゃないだろう。
きっと全打席ヒットを打ちたいのだ。
その結果、3割がヒットになれば優秀な打者と評される。
俳優は何割打てれば優秀なのかはわからない。
だけどすべてのセリフがヒットになったほうが良いに決まってる。
バットコントロールなんだろうなぁ。
目指せ、演劇界のドカベン。
(あの人の打率、尋常じゃないんですよ)
では、また。