ども、スロウ岡田達也です。
『スキップ』
ダンスの振り付けがすべて付いた。
初演と同じ曲、しかし内容はまったく違うパフォーマンス。
こいつはステキだ。
ただし……
大きな声では言えないが「ちゃんと踊れれば」という条件付きだ。
少なくとも昨日の自分は「油が切れたアンドロイドが痙攣している」といった動きしかできていなかった。
大いにその自覚はある。
だからだろうか?
すべての振り付けが付いたところで“世界の川崎悦子先生”が言った。
「硬い、硬い!もっとやわらかく!早く人間になって!」
……先生、もう少し時間をください。
そのうち人間になる予定です。
*
で、だ。
問題は腰だ。
椎間板ヘルニアを経験し
脊柱管狭窄を経験し
寝ても覚めても腰痛に悩まされている身だが、それでも大人しくしていればまだマシだ。
しかし。
昨日のダンスの振り付けはきた。
グッときた。
……あれ?なんかちがうな
とてもきた。
……ん?これもちがうな
とにかく“きた”。
腰に負担の多い振り付けだったので、途中から「こりゃマズいな……」と予感はしていたのだが、見事に的中した。
今の僕は“油の切れたアンドロイド”でもなくなった。
“5mを3分かけて歩く老人”になった。
今の僕はすべての動作がスロウで丁寧だ。
靴下を履くことも、洗面台に立つことも、しゃがむことも、何もかも。
あまりに遅くて我ながら笑ってしまう。
昔々、腰がまだまだ元気だった頃、腰痛持ちの人がゆっくりそ~っと動くのを見て、とても不思議な気持ちになっていた自分が懐かしい。
今ならわかる。
わからなくていいけどわかる。
*
で、だ。
さらなる問題が、今日からキャラメルボックスの俳優教室のレッスンを担当しなければならない。
午前中から3時間、みっちり身体を使う予定だ。
なんせ僕の担当は「アクション、殺陣」なのだから。
5mを3分かけて移動する老人に、一体何が教えられるというのだろう?
……正しい杖のつき方?
……バッテリーの切れかけたc3poの演じ方?
要らない。
僕ならそんなの教わりたくない。
ま、やり方はいくらでもある。
アシスタントの小多田直樹くんに大いに活躍してもらうとするか。
今日から9ヶ月。
俳優を目指す若人たちのお手伝いをしよう。
何か一つでも身につけて貰えるように頑張ろう。
僕も気持ちは若人だし。
気持ちは、ね。
ね。
では、また。