ども、ツッコミどころが多すぎる岡田達也です。
稽古が終わり、深川麻衣ちゃんを捕まえた。
余計なお世話だが、ちょっと芝居で気付いたことをアドバイスしようと思ったのだ。
稽古場の隅で座って話す。
まいまいは真面目だ。
大きな目をさらに見開いて、こちらを見ながらウンウン頷いて聞いている。
あまりの真剣な表情にこちらの胸が痛む。
「自分なんぞがアドバイスして、彼女の白さが汚れてしまったらどうしよう?」とさえ思う。
しかし。
こんなに一生懸命聞いてくれてるのだ。
僕は乃木坂46のセンターに立ったことはないが、キャラメルボックスのセンターと、人生の窮地には立ったことがある。
なるだけわかり易く、伝わるように、言葉を砕いて説明する。
……と
木村玲衣が近寄ってきて冷ややかな目で言った。
「達也さん、まいまいには優しい。私の扱いとぜんぜん違う」
さらに関根翔太もやってきて言い放つ。
「劇団員に対する態度と違いすぎでしょ!」
……きみたち
……何を言うとるのだ
そんなの当たり前ではないか。
では、逆に尋ねよう。
この私が後輩たちに優しく接したらどう思うのだ?
どうせ嵐が来るだの、雪が降るだの言うくせに。
しかし……
そこまで反論したところで気付いた。
あれ?
そういえば『嫌われ松子の一生』で共演した桜井玲香と若月佑美には、同じ乃木坂ながらフルボッコで突っ込んでいたぞ……。
とくに桜井キャプテンには強めだったな。
アイドルだからと言って容赦無かった気がする。
もちろんキャプテンも若も、可愛いというか、美人というか、華があるというか、とにかくそういうアイドルだけが持つ資質を兼ね備えていたし、それはまいまいも同じだ。
ん?
ってことはだぞ
まいまいが可愛いから優し目に接しているのではないな、自分……
わかった!
この子、ツッコミどころが少ないのだ!
そ、そういえば!
ちゃんとしているではないか!
今更ながら気付いた。
インタビューなどの受け答えもきちんとしている。
芝居の取り組みも真面目だ。
こんなおじさんのアドバイスも一つ一つ受け止めようとする。
あぁ
そういうことだったのか
二週間付き合ってやっとわかった。
人柄だ。
「そういえばまいまいは「聖母」って呼ばれてたんだよね?」
「あ~、もう、それはやめてください!」
「え?嫌なの?」
「だって、その印象が付くと、何かあったとき怒れないじゃないですか!」
「(笑)」
*
そんな『スキップ』のセンター。
彼女の抱える重圧は大きいだろう。
でもその負荷が大きければ大きいほど、きっと面白くなる。
……はず。
深川麻衣ファンのみなさん、お楽しみに。
では、また。