ども、ガンマン岡田達也です。

 

 

 

昨日、高校時代の話を書いた。

「体操着入れバレー(仮名)」に夢中になり、先生にぶつけたこともある、と。

それを書いてて思い出した話をもう一つ。

 

 *

 

僕は『鳥取工業高校建築科』に通っていた。

建築科の専門授業は製図、建築構造、建築計画、建築施工、建築法規などの他に、工業技術基礎と実習があった。

それは木材を加工したり、コンクリートを練って固める、というものだった。

 

だから木材はたくさんあった。

当たり前だ。

教材なのだから。

 

さて。

男という生き物は不思議なもので“木の棒”がたまらなく好きだ。

これは断言できる。

棒を持てば

・バットにして素振りをする

・刀に見立てて振り回す

・やったこともないのにゴルフの素振りを始める

など、何かしらが行われる。

 

さらに。

男という生き物は不思議なもので“拳銃”がたまらなく好きだ。

これも断言できる。

なにも上川隆也先輩が特殊なわけではない。

あの人は少し行き過ぎてるだけで(※)、男はみんな銃を構えてデューク東郷や次元大介みたいになってみたいという欲望があるものだ。

 

木材はある。

加工する専門の機械もわんさかある。

となるとやることは一つ。

 

オリジナルの銃を作るのみだ。

 

……ん?

今、「こいつバカじゃないの?」って思いました?

ええ。

バカなんです。

 

我々は銃を作った。

それぞれが、オリジナルの、誰よりもかっちょいいヤツを目指して。

必死で作った。

目を輝かせて作った。

なんで授業には身が入らないのに、ああいうことには力が入るんだろう?

 

さておき。

銃はできた。

とすれば、やることは一つ。

“銃撃戦”だ。

 

近年サバイバルゲームなるものが流行っている。

僕は経験がないので同じようなものかどうかわからないが、32年前、僕たちはすでにサバゲーをやっていた。

 

ルールは

・撃つ瞬間に「バーン!」という

・撃たれた自覚があるものはゲームから脱落する

・時間は授業終了のチャイムが鳴った瞬間から次の授業開始のチャイムまで

・フィールドは校舎すべて

 

……実にシンプルだ。

 

僕らは走った。

校舎の中を。

僕らは隠れた。

階段の陰に。

 

そして、僕らは撃ち合った。

ガマも、太郎も、きんじも、近藤も、栂尾も、平家も、伊田ブーも、とおるも。

 

なんであんなに楽しかったんだろう?

夢中でやっていた。

 

それなのに……

ゲームは突然終演を迎える。

 

ある日。

僕は廊下の曲がり角で待ち伏せしていた。

足音が聞こえてきた。

あのスリッパの音はおそらく、きんじか近藤だろう。

 

まだだ。

まだ引き付けて……

 

今だ!

 

僕は飛び出して、銃を構え、勢い良く「バーン!」と撃った。

気分はルパンといったところだ。

 

そして。

ルパンの前には“大きな三角定規を持った野嶋先生”が立っていた。

 

数秒の沈黙が流れた。

「……岡田、何してる?」

「……撃ってます」

「職員室に来い」

 

こうしてサバゲーは幕を閉じた。

 

 *

 

あぁ、今思い返しても気持いいほどアホだったなぁ。

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

(※)文中一部不適切な表現がありましたが、他の言葉が思いつかなかったのでそのまま書きました。

けっして先輩に対する悪気はありません。

それだけは断言しておきます。

ホントです。

信じて。

お願い。

あ。