ども、僕も衣をつけて揚げてほしい岡田達也です。

 

 

 

「蛙の子は蛙」

そんな言葉がある。

 

僕はこの言葉を聞くと、なぜだか胸がモヤモヤする。

 

 *

 

僕は揚げ物が好きだ。

大好きだ。

あいらぶ油。

 

将来は串揚げ屋をやりたいと思っている。

けっして敷居の高いお店じゃない。

一串100円~

中生は380円

チューハイは290円

そんな、サラリーマンに愛される

立ち飲みの串揚げ屋。

(共同経営者募集中)

 

 *

 

先日、鳥取に帰省していたとき。

 

僕は帰ると、必ず母親と一緒に台所に立って食事の用意をする。

それは昔からのお約束。

 

そして献立の選択権は“好き嫌いの多い”父親にある。

 

母が訊く。

「お父さん、今晩何が食べたいだ?」

 

父が答える。

「フライがええなぁ。エビフライがなぁ。あとイカフライもええなぁ。それから前に達也が作ってくれた豚をどうこうして揚げたヤツがええでなぁ」

 

……エビフライとイカフライ

僕の大好物でもあるじゃないか。

豚というのは、豚バラスライスで大葉とアーモンドチーズを巻いて揚げたもの。

自分で作っておいて言うのもなんだが、かなり美味い。

柔らかくて食べやすいので年寄りにはいいのだろう。

一度作ってからは毎回リクエストされる。

 

大量に揚げた。

これでもかと揚げた。

母が苦笑いするくらい揚げた。

いいのだ。

余ったら僕が夜食でつまみにするから。

 

しかし……

余らなかった。

完食した。

 

食べた量の内訳は、父が6割、僕が3割、母が1割だった。

 

……あの人、確か81歳のはずだぞ

 

 *

 

翌日、母が尋ねた。

「お父さん、今晩何が食べたいだ?」

 

父が答える。

「フライがええなぁ」

 

母が呆れながら言う。

「フライは昨日食べたが……」

 

父が答える。

「いや、オレはええで、昨日と同じでも」

 

息子としてはこの答え方にイラッとしてしまう。

父はフライが食べたいのだ。

そのくせ「ええで」という言葉を使う。

これは「いいよ、いいよ、オレは。昨日と同じメニューでも我慢するよ」と謙虚ぶった言い回しだだ。

 

何が「ええで」だ?

「フライが食べたいです」と言ってみやがれ!

 

しかし。

「フライはいけん。昨日食べたけ」

母の一言で却下されてしまった。

 

実は。

このとき、僕も心の中で思っていたのだ。

「今日もフライでいいなぁ」と。

 

 *

 

翌日、母が尋ねた。

「お父さん、今晩何が食べたいだ?」

 

父が答える。

「フライがええなぁ」

 

母は呆れて言葉が出ない。

「あのなぁ……」

 

僕が間を取り持った。

「じゃあ、目先を変えて、フライじゃなくて天ぷらにしようか?それならどうだ?」

 

父が言った。

「ええなぁ。エビの天ぷらが食べたいな」

 

母が言った。

「……二人がいいならいいけど」

 

正直に言う。

このとき、僕も心の中で思っていたのだ。

「揚げものが食べたいな」と。

 

 *

 

父に似たくない。

容姿も、性格も、食事の好みも。

 

だが……

現実は残酷だ。

食べ物の好みが恐ろしいほど似ている。

 

 *

 

「蛙の子は蛙」

そんな言葉がある。

 

この言葉を聞いて胸がモヤモヤするのは僕だけだろうか?

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

 

ジェスチャー機能、アプリを再インストールしたら戻りました!

アドバイスくださったみなさん、ありがとうございました!

どうもWindows10との相性が良くないみたいですね。

勉強になります。

 

「達也汁袋」、いいですね。

また何かありましたら助けてください。