ども、脳みそが溶けた岡田達也です。
『鍵泥棒のメソッド』
昨日は仕込み二日目。
場当たりの日。
「場当たり」
きっかけ稽古。
ここで初めて役者の芝居と、音響さんと、照明さんと、舞台監督さんと、衣装さんと、ヘアメイクさんが合体する。
これが……
これがどれだけ大変か!
「え?普通にお芝居をやってれば、そこに勝手に音楽が流れて、照明が点くんじゃないの?」などと思うなかれ。
そんなに生易しいものじゃない。
*
(照明)
舞台上というのは明るいところばかりじゃない。
暗いところはかなり暗い。
これが……
想像以上に見えないのだ。
明るいところから急に暗いところへ行くと、目がなれるまで何も見えないってことがあるでしょ?
あれです、あれ。
昨日、セットの壁にぶつかったのが2回、小道具のテーブルに足をぶつけたのが1回、ドアに指を挟んだのが2回。
それで済んで良かった。
(音響)
キャラメルボックスではなるだけ曲のフレーズに芝居を合わせるように努力している。
気持ち良いフレーズでアップダウンが行われると、不思議なもので芝居も跳ねる。
そしてお客さんの“耳障り”が良くなる。
いろんな相乗効果が見込まれる。
が。
稽古場で何度も合わせてきたつもりだけど、実際の舞台の広さでやると、距離の違いから、狙ったところにはまらなかったりする。
(舞台部)
キャラメルボックスでは役者が舞台上の物を転換する。
まぁ、転換するする。
見たことないレベルで物を入れ替える。
普通の劇団なら「演出部・舞台部」と呼ばれる部署が転換プランを練って、その指示に合わせて役者が動かす。
が。
キャラメルボックスでは違う。
役者自身が演出部で舞台部なのだ。
僕は外部でもたくさんの舞台に出演してきたが、ここまでのことをやってる俳優たちを見たことがない。
昨日は初めて劇場でやってみたのだが……
あまりの難易度の高さに、脳みそが少し溶けてしまった。
(衣装)
着替え地獄だ。
オマケに、なぜあんな数十秒で洋服を着替えなければならないのだ?
何のイリュージョンなんだ?
それとも俺たちは何かの罰を与えられているのか?
(ヘアメイク)
同上。
人が変わるたび髪型も変わる。
……はず。
変われば良いね。
変わりたいね。
可能ならね。
*
かいつまんで書いたが、このように、場当たりというのは「大変の詰め合わせ」なのだ。
実際、昨日はすべてのシーンの3分の2しか消化できなかった。
つまり今日は
場当たりの残り3分の1
ゲネプロ(本番同様のリハーサル)
初日
と、大変×3セットの日となった。
……
……
うぉ~
泣いちゃう
49歳なのに泣いちゃう
今日という日を泣かずに過ごせたら、自分自身にご褒美をあげようと思う。
*
『鍵泥棒のメソッド』
本日初日です。
12日までです。
あっという間に終わってしまいます。
是非劇場にお越しください。
絶対に楽しませます。
では、また。