ども、プレッシャーに負けそうな岡田達也です。
『鍵泥棒のメソッド』
ダンスシーンは基本的に初演と同じ振り付けで作っている。
キャラメルボックスの振り付けは「世界の川崎悦子」先生にお願いしているが、今回はアシスタントの方が振り起し(前回のビデオを観ながら踊りをコピーすること)を担当してくださり、我々は毎日それをコツコツと踊ってきた。
僕は残念ながらほとんど踊らないので、稽古では監修する方に回っている。
前から見ながら「あ~だ、こ~だ」と偉そうに注文を付けてきた。
そして今日、いよいよ稽古場に川崎先生が登場する。
今日までの練習の成果が問われるときが来た。
これがちょっとしたプレッシャーだ。
だからだろうか?
今朝、おかしな夢を見た。
*
川崎先生の前でダンスを披露した。
次の瞬間
「岡田くん、これ、どういうこと!?」
先生の怒声が飛んだ。
……いや
どういうことって言われましても……
僕はアシスタントでもないですし、ましてやダンサーでもないですよ
「この二週間、何やってたの?」
……あの
確かに稽古場を回してはいますが、そこまでの責任は持てません
みんなも一生懸命踊ってましたし……
「ダンスはいいのよ!」
え?
「ちゃんと練習したみたいじゃない。それは認める。いろいろ直すけどね」
そうなんですか?
ダンスは大丈夫なんですか?
だとしたら、何が問題なんですか?
「畑中が……」
畑中がどうかしましたか?
「畑中が老けてるじゃない!」
は?
「畑中がおじさんになっちゃってるのはどうして?」
え~っと
え~っと
畑中は38歳なのでそこそこ大人ですし、そりゃ年相応にはおじさんに近付いていくもんじゃないでしょうか?
「私がイメージしている畑中と違う!」
……あのですね
正直申しあげて、先生が何を求められているのか僕にはさっぱりわかりません
*
ざっと書くとこんな夢だった。
……なんだ、これ?
オマケに夢ってのは大抵の場合不条理だ。
なぜ、畑中智行が老けていることを僕が責められるのか?
だって本人は目の前にいるのだ。
だったら本人を怒ればいいじゃないか。
そもそも『鍵泥棒のメソッド』のダンスと、畑中の見た目と何の関係があるのだ?
もっと言えば、やつのキャッチフレーズは「少年の形をしたおじさん」なのだ。
いいじゃないか!
多少おじさんでも!
もう、何もかもわからん。
*
おそらく。
下手に稽古場を仕切っているから、勝手に余計なプレッシャーを感じているのだろう。
オマケに僕は川崎先生にもたくさん怒られてきた。
「ターンするなんて10年早い!」
「あんた役者でしょ!踊れないんだから、せめて顔で踊りなさい!」
「何なのよ、その使えない身体!」
「恥ずかしいと思わないの?だったらウチに通いなさいよ!」
あぁ、思い出しただけで涙が出てくる。
トラウマというのは簡単には消せないものなのだ。
それらが相まっておかしな夢となってしまったんだろう。
*
僕は踊らない。
だけど、今、もっともドキドキしているのは僕かもしれない。
では、また。