ども、インストラクター岡田達也です。
 
 
 
昨日は2017キャラメルボックス第3次オーディション。
僕には「ストレッチ、エアロビ、筋トレを担当せよ」との司令が入ったので、老体にムチを打つ
ことにした。
 
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キャラメルボックスには伝統的なエアロビクスがある。
今から25年も前。
西川浩幸先輩と上川隆也先輩がビデオ(もちろんVHS)を見ながら作り上げ、僕がそれをアレンジしていったメニュー。
これがちょっと特殊なエアロビで、スポーツジムなどで行われているノーマルなエアロビの動きよりもかなりハードだ。
手のひらをフルオープンさせ、ステップを踏みながらその腕を振り続ける。
言葉で書くとこれだけだが、これが実にキツい。
当然、背中や肩の筋肉痛からは逃れられない。
 
当時、身体訓練の隊長はたかやん先輩(上川さんのことです)で、もちろんこのエアロビをリードするのも先輩の仕事だった。
立ち位置は、稽古場の鏡に近いところ、つまり一番前のセンター。
僕の指定の場所は、たかやん先輩から2列ぶん下がった左後ろ。
どういうわけかそこが好きで、いつもそこから“先輩の背中を見ながら”エアロビしていた。
 
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一時期、僕が身体訓練の隊長を努めていたとき。
「このエアロビはもう古いし飽きてきたなぁ。新しいのを覚えるか」
そう思った僕はジムに通い、いたってノーマルなエアロビクスと、さらにはボクササイズのクラスに通い、動きを覚えコピーした。
そしてキャラメルボックスの身体訓練の時間に取り入れてみた。
それはそれで良かった。
どちらも効果としては大きかったと思ってるし、今も若い人たちがやって受け継いでくれている。
 
 
しかし……
オーディションに関してはどうしてもメニューを変えようと思わない。
思えない。
 
古くて、キツいエアロビ。
リズム感や筋力だけじゃなく、ちょっとした根性も必要なエアロビ。
しかも使用曲も25年前から『ジュリアナ東京』のまま。
(もはや懐メロじゃねーか)
正直、こんなの時代錯誤だと思うときもあった。
 
でも……
もうその思考は一周した。
これでいい。
いや、
これがいい。
 
うちのエアロビクスは、動いている背中を見れば、身体がちゃんと使えているかどうかわかるようになっている。
 
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たかやん先輩の背中の美しさはハンパなかった。
リズムに合わせて振られる腕
それに引っ張られて動く背中
僕はひたすらあの背中に憧れた。
自分の背中は見ることができない。
でも自分は絶対に「あんな風にできていない」自信があった。
そこから「どう動かせばあんな背中のラインになるんだろう?」と考え続けた。
 
今なら言える。
「僕は一子相伝でたかやん先輩から受け継いだ」と。
「今、僕の背中は動いている」と。
 
 *
 
間もなく49歳になろうという男が意地を張るのもどうかと思うが、30歳近く年下の受験生に対し「負けるもんか!一番動けるのはこの私だ!」と心の中で叫びながらエアロビをしていたのは内緒。
(大人気なさすぎるだろ……)
 
ついでに劇団の若人たちに「この背中だ!これをコピーするのだぞ!」と心の中で叫びながらエアロビをしていたのは本当。
(オマエ、審査する気あるのか?)
 
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古かろうがなんだろうが、オーディションのときはこのキャラメルボックス・オリジナルエアロビに限る。
これもまた劇団の財産、ということで。
 
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新しい仲間、誕生しました。
時期が来たら発表になると思います。
可愛がってやってください。
 
……今、すげー筋肉痛です。
 
 
 
では、また。