ども、連れていきたい岡田達也です。
 
 
 
お仕事のお話なので、わかりにくかったら申し訳ない。
 
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芝居には“セリフ”がある。
役者はそれをしゃべる。
 
理想を言えば
「面白かったり、せつなかったり、かっこよかったり、かっこ悪かったり」
まぁ、いろんな表現ができるに越したことはない。
それが役者の大きな仕事だ。
 
だけど……
その前に、もう一つ、大事な作業があると僕は考える。
 
それは
「書かれているセリフの意味を伝える」
ということ。
 
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「オレはカレーが大好きだ」
これくらいのセリフなら誰がしゃべっても意味は伝わるだろう。
 
「オレはカレーが苦手だったんだけど、子供のとき妹とのチャンネル争いに勝利してテレビを見ていたら『ゴレンジャー』をやっていて、キレンジャーが美味しそうにカレーを何杯も食べている姿に惹かれ、京塚昌子さん似の母親に「あれと同じカレーを作ってくれ!あれと同じじゃなきゃ嫌だ!」と、食べたこともないくせにおねだりして、でも母親が「は~い!お母さん特製キレンジャーカレーよ!テレビ局に電話して作り方訊いちゃった!大変だったんだからね!どうぞ召し上がれ!」と今なら100%ウソだとわかるような機転を利かせて出してくれたカレーがあまりにも美味しくて、それ以来オレはカレーが大好きだ」
というセリフがあったとしよう。
(……あくまでも例えだ)
情報が多い。
とても多い。
こうなってくると役者の力量がハッキリと問われる。
この内容を余すところなく伝えるのは大変だ。
下手な役者さんがしゃべると、これだけの言葉がありながら、何も伝わってこなかったりするから恐ろしい。
 
だから。
それをやれる人が僕にとっては「いい役者さんだなぁ」と思える条件だったりする。
 
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昨日、稽古前にとある芝居を観に行った。
ストーリー自体は僕の好みではなかったのでそんなに楽しめなかったのだが、その代わりと言うか、役者の演技(個性)にガッツリ注目して観ることができた。
 
と、不思議なもので、言葉の意味が伝わる役者さんとそうじゃない役者さんがハッキリ分かれて見える。
(あくまでも僕の主観だけど)
 
意味が伝わる人は芝居の世界に連れて行ってくれる。
安心して見ていられる。
 
それは、何をどうすれば良いのか?
僕にも正解がわかってるわけじゃないけど、そうありたいなと強く思う。
 
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日々、勉強なのです。
 
 
 
では、また。