ども、今一番のお気に入りの駅弁は『品川 貝づくし』の岡田達也です。
 
 
 
いつもの季節がやってきた。
「やってきた」なんて書きながら、今日が最終日なのだけど。
 
私の愛する一大イベント
『第52回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』
 
 
やっと行けた。
 
 *
 
どうして食べると太るのだろう?
どうして食べるとお腹いっぱいになってしまうのだろう?
どうしてお金は無くなるのだろう?
 
このあたりの問題がすべて解決するならば、僕は、端から端までの駅弁を食べ尽くしているはずだ。
 
だが。
現実は厳しい。
「せっかくの駅弁大会だしな。3個くらいは食べてもいいかもな。でもなぁ、『鍵泥棒のメソッド』で裸になるしな。ただでさえ贅肉が増えてきてるのに、さらに増やして良いものか?そもそも駅弁て安くないもんな。弁当3つで4,000円ってどうよ?ここは2個にしておくか?……いやいや、待て待て。2個食べなければならないという理由は何処にもないぞ。吟味して1個でいいんじゃないか?」
こんなことをごった返す百貨店の人混みの中で真剣に考えていた。
いや、ひょっとすると声に出ていたかもしれない。
そんな48歳。
(……本当に大丈夫か?)
 
 *
 
どうして人は迷うのだろう?
どうして人は目移りするのだろう?
 
初志貫徹していれば後悔しないですんだのに。
 
1個の弁当と、大好きな「阪神のいか焼き」という組み合わせに決めた僕は本格的に悩み始めた。
「今、自分が本当に食べたい弁当は何だ?何なんだ?よく考えろ、自分……」
もはや気分は『孤独のグルメ』の五郎ちゃんだ。
 
そこで閃いた。
昨年、広島にワークショップで行ったとき、帰りに広島駅で買った『極味だし炙りあなごめし』が美味しかったことを。
僕は、頭の中であの味を反芻し、口の中にいっぱいつばを溜め込んで売り場を探した。
 
……と
広島の売り場に到着する前に姫路駅のブースが目に入った。
 
おっと
『穴子 味競(あじくらべ)』か……
煮穴子と白焼きの組み合わせだとぅ?
悪くないぞ
いや、とても良いよ
広島の弁当は一度食べてるわけだし、ここは新しい味に挑戦してみるか?
同じ穴子だしな
 
 *
 
結果から言おう。
これはこれで美味しかった。
だが、僕が食べたかったのは「穴子のご飯」であって「穴子の寿司」ではなかった。
ひとくち食べた瞬間の違和感たるや。
「あぁ~!か、神さま!」
「ま、ま、間違えてしもいもした!」
 
「しまいました」を「しもいもした」と言い間違えるほど動揺してしまった。
(口に出したのか?)
 
なぜ、パッケージを見て気付かなかったのか?
なぜ、そんな簡単なことを見落としていたのか?
自分自身を呪ってやりたい。
 
 *
 
僕くらい“美味しいものを食べたい欲が強い人間”はイメージと違ったときに、大きなダメージを受ける。
 
最終日の今日、リベンジのために突入するかどうか悩んでいる……
 
 *
 
お昼ごはん、お弁当じゃなくて外食という方
しっかりと強いイメージを持って、食べに出かけてください。
フラフラしては美味しいものにありつけませんよ。
初志貫徹ですぞ。
 
……だからといって午前中の仕事が手につかないほどランチのことばかり考えてはなりませぬ。
 
 
 
では、また。