ども、神戸へ旅立つ岡田達也です。
『ゴールデンスランバー』
稽古が終わった。
成井さんからの最後の指示は
「スピーディーに」
「スリリングに」
「お客さんの鼻を掴んで振り回すように」
「ガンガンと飛ばしていけ」
だった。
ま、考えてみれば、それはいつものキャラメルボックスであり、いつもの成井さんだ。
気持ちを緩めず、体力を落とさず、12月25日まで回転数が落ちないように走っていこう。
(出番が少ない自分は簡単に言えるけど、畑中と山崎彬くんは大変だろうな。頑張れ、若人たちよ)
* * *
Q
稽古、お疲れさまです。
さて。寒い日が続いていますが、体調管理はいかがされていますか?
やはり、寝るときにマスクなどされているのでしょうか?
私は寒がりなので、寝る時は湯たんぽを足元に置き、乾燥対策でマスクをしています。
もこもこ靴下を履いてもいいのですが、『親の死に目に会えない』という迷信(?)を信じて、湯たんぽにしています。
そこで質問です。
達也さんには信じている迷信、もしくはげん担ぎのようなものはおありでしょうか?
舞台に上がる前など、何かされていることはありますか?
お暇な時かネタ切れの時にでも、お答えくだされば幸いです。
(むぅ)
A
僕もこう見えて役者ですからね。
喉は商売道具なので大切にしますよ。
ホテルに泊まるときなんかは乾燥対策が必須なので加湿器を用意してもらいます。
そういえば……
ちょいと昔、加湿器なんて便利なものは存在しませんでした。
その頃はバスタブにお湯を張って部屋を湿らせていました。
しかも、シャワーで高いところから熱湯を出すとミストサウナみたいになって実に効果的なんです。
あるとき、喜んで湯気を出していたところ、出しすぎて火災報知器が作動しました。
僕も最初は「火事か!」と驚いて、あれやこれやの大切なものをポケットやらパンツの中やらにつっこみ(大麻ではありません)逃げる準備をしたのですが、部屋の電話が鳴り「お客様!お風呂の扉をお閉めください!」とホテルの方からの切羽詰まった声を聞いたときすべてを悟りました。
あのとき同じホテルに宿泊していたみなさま、申し訳ありませんでした。
……すみません
関係ない話でした。
「迷信」と「験担ぎ」ですよね?
「迷信」は……
とてもベタですが「夜に爪を切らない」です。
子供のとき、母親の秀子さんに「夜、爪を切ると親の死に目に会えないらしいよ」と言われました。
それはとても印象的でした。
子供心に思ったものです。
「ん?それを僕に言うってことは夜に爪を切るなってことか?ってことは死に目には立ち会ってほしいということか?どうなんだ、お母さん?」
しかし、何かが引っかかり、それを口にはしませんでした。
それ以来、なんとなく夜に爪を切ることは避けてます。
しかし……
何がどう間違ったのか、大人になってこんな仕事を始めてしまいました。
もしも本番中に死なれた日には絶対に死に目に会えないんですよ。
夜、爪を切らなかったのに。
だからお母さんには僕が役者をやめるまで死なないでいてもらおうと思います。
「験担ぎ」は……
とくにしてません。
舞台に上る前のアップに関してはキッチリとしたメニューがあって、完全なルーティンとして必ずやってます。
が、験を担ぐことはないですね。
「初日に赤いパンツを履く」こともありませんし
「舞台には右足から踏み入れる」こともないですし
「セットに右腕をあててブツブツとつぶやく」こともしません。
強いて言えば「畑中智行を蹴る」くらいでしょうか。
あっ!
これは験担ぎではないですね。
……ところで「もこもこ靴下」ってなんですか?
* * *
さて、これから新神戸に向かいます。
たくさんの方にお会い出来るのを楽しみにしています。
劇場でお会いしましょう。
それと、ひょっとすると明日の日記はおやすみさせてもらうかもしれません。
では、また。