ども、壺漬けカルビが食べたい岡田達也です。
大谷翔平投手が日本新記録の165kmをマークした。
当面の間、誰も追いつくことはできないすごい数字だと思う。
僕が見たことある中で最も球が遅く感じたのは、現オリックス・バファローズの投手コーチを務める星野伸之投手だ。
素人の僕が見ても遅い。
ポカンとするくらい遅かった。
「この球がプロに通用するのか?」と思わせられるスピードだった。
ストレートのマックスが130㎞に届くかどうか
それと110㎞のフォークと90㎞のカーブ
野球をご存じない方のために言っておくと、今の時代にそんな投手はいない。
ところが……
このとっても遅い3種類だけで11年連続二桁勝利をあげている。
これはすごい結果だ。
ロッテ・マリーンズの初芝選手が「伊良部より星野さんのほうが速いと思う」と発言したことはあまりにも有名。
(伊良部投手は当時日本最速の158kmを記録した豪速球投手)
本物のスピードじゃなくても勝負はできる。
つまり
「速くかんじさせること」
これがとても大切だ。
*
お芝居で殺陣をやるとき。
役者はどうしても力が入る(もちろん自分も含めて)。
刀や拳やナイフを振るとき、テンションが上がると自然にスピードが上がる。
何だって「速い」ことは魅力の一つだ。
速いボール
速いスマッシュ
速いタックル
ギターの速弾き
寿司の握り
吉野家の提供時間
岡田達也の飲む一杯目のビール
速さを獲得するにはそれ相応の訓練が必要だし、それはそれで素晴らしい。
(ビールも訓練なのか?)
だけど……
立廻りに関して言えばスピードはいらない。
力が入ってスピードが上がると、見えなくなってしまうものが多々あるから。
「あれ?速すぎて何やってるかわかんないや」
「なんかコンパクトすぎてよく見えないな」
ってことになる。
やってる手数がハッキリと見えて、それでいて流れるように見えること。
映画やテレビと違って、舞台の殺陣は「リアリティ」よりも「ケレン味」だったりが大切。
(多分に僕の好みだが)
*
ものすごく乱暴な言い方になるが、舞台で必要なのは「本当に速い大谷投手のストレート」ではなくて「速そうに見える星野投手のストレート」なのかもしれない。
このおかしな理屈、伝わるんだろうか?
いや、別に伝わらなくてもいいのだけど……
まぁ、こんなことを考えながら稽古しているということです。
では、また。
追伸
昨日、トークライブに足を運んでくださったみなさん、ありがとうございました。
短い時間でしたがとても楽しかったです。
ですが、昨日話した僕のダメな部分はすべて記憶から消してください。
約束ですよ。