ども、乗り過ごしは少ない岡田達也です。

 

 

 

『嫌われ松子の一生』で共演した吉川純広くんと飲んだ。

まだ34歳と若いのだけど、ちゃんと周囲に気遣いができて、陽気で、男気があって、気持ちがいいヤツだ。

オマケに大の酒好きときている。

ウマが合わないわけがない。

 

中野の焼き鳥屋で飲み始めた。

中野は新宿の西側、山手線のちょっと外側に位置する。

 

一杯目は『嫌われ松子の一生』の反省会をしながら。

(……そのときに反省しろよ)

 

二杯目は乃木坂46の若月佑美と桜井玲香の今後の女優人生について語りながら。

(……大きなお世話だよ)

 

三杯目は隣で飲んでいた人生の先輩に生きていくことの厳しさを教わりながら。

(……あの先輩、やたらと「痴漢だけはしちゃダメだぞ!痴漢だけはしちゃダメだぞ!」って力説してた。そんなに僕も吉川くんも痴漢しそうに見えたのだろうか?それとも先輩が昔痴漢して人生をしくじったんだろうか?)

 

四杯目は……

 

「明日、キャラメルボックスの仕込みに行くんだ」

 

「えっ?達也さん、まだ仕込みとかやってるんですか?」

 

「うん。ウチの劇団員、仕込みもバラシもバリバリにやってるよ。ちなみに俺はトラックも運転したりする」

 

「……達也さん、何歳でしたっけ?」

 

「48」

 

「その年齢でもやるんですね!」

 

「うん。何でもやるよ」

 

「インパクト(仕込みで使う電動のネジ回し)、使えます?」

 

「もちろん」

 

「ガチ袋(仕込み道具を入れる腰から下げてる袋)、持ってます?」

 

「もちろん」

 

「何でもできる人だとは思ってましたが、そこまでとは」

 

「俺ね、この道にさえ進まなければ、大成してたと思うんだよ」

 

「そうかもしれませんね」

 

「……肯定するなよ」

 

「すみません」

 

「できないのは芝居だけなんだよ」

 

「……」

 

「そこは否定してくれよ」

 

「すみません(笑)」

 

というような、飲み屋で必ず行き着く「どこで人生を誤ったんだろう?」という話で盛り上がった。

 

 *

 

芝居をやることでたくさんの人と出会わせてもらってる。

舞台を通じて、いろんな人と繋がれる。

もちろん舞台上の共演も楽しいが、こうしてプライベートの付き合いが深くなる人もいる。

そもそも舞台俳優なんて、ちょっと頭がおかしいとか、変わりもんとか、ぶっ飛んでるやつとか、面白い素材が多い。

吉川くんもその一人だ。

長い付き合いになるだろうな。

そんな気持の良い時間だった。

 

 

 

 

「達也さん、俺、やばいっす!酔っ払ったっす!」

 

「見ればわかるよ」

 

「電車、やばいっす!」

 

「何が?」

 

「乗り過ごしそうです!」

 

「どこで乗り換えるんだ?」

 

「四谷です!」

 

「じゃあ、中野からだと10分で着くから何とか踏ん張れ!」

 

「了解です!」

 

一時間後、ラインが届いた。

 

「達也さん、僕、今、幕張本郷にいます。……ここ何処ですか?」

 

……そこは千葉ロッテマリーンズのお膝元だよ

遠征したな、純広よ。

 

 

演劇人には面白いやつが多い。

 

 

 

では、また。