ども、嫌な夢だけは覚えている岡田達也です。

 

 

 

『嫌われ松子の一生』

気が付けば10日ほどで初日の幕が開く。

 

だからだろうか……

恒例になっている「本番直前の訳のわからぬ夢」を見た。

今朝、見た。

相変わらずぶっ飛んでいた。

 

 *

 

稽古後、キャスト・スタッフのみんなで飲みに行くことになった。

総勢で10人ちょっといただろうか。

稽古場の周囲には飲み屋が少なく、見つけたと思っても満席だったりして、僕たちは「飲み屋難民」になりさまよっていた。

そして……

気が付けばみんなでジャングルを歩いていた。

どうやらさまよいすぎたようだ。

僕は口には出さなかったが心の中で叫んでいた。

「誰だよ?こっちを歩こうって言ったのは!ジャングルにお店があるわけねーだろ!」

しかし、みんなは黙々と歩いている。

仕方がないのでソーっと様子をうかがうように口にした。

「あの~、こっちにはお店なさそうだから引き返しませんか?」

その瞬間……

みんなの視線が突き刺さった。

「おまえは黙ってろ」と言わんばかりの鋭い目線が。

と、女性スタッフに「達也さん、この50m先にお店があってそこを予約しておいたんで先に行って待っててください」と言われた。

え?

なんで?

みんなで行こうよ

ここから一人で先に行く意味が無いと思うんだけど……

「私たち、ちょっと寄るところがあるんで」

……あ、そう

じゃあ、待ってるよ

僕は一人でお店に入った。

店員さんがやってきた。

「30名様でご予約の嫌われ様ですね?」

(……せめて松子で予約してくれよ。何だよ、嫌われ様って)

「あ、たぶん、それです。でも、30人は何かの間違いじゃないかな。半分くらいになると思います」

「いえ、それは困ります。もうコース料理のほうを作り始めてるんで」

「え?コース?コースなんですか?」

「ではお料理をお運びしますね」

「いや、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

僕のお願いも聞き入れてもらえず、テーブルに30人ぶんの料理が運ばれ始めた。

僕はパニックになった。

止めなければ。

みんなが来たときに料理が冷めていたら怒られるぞ。

「すみません!まだ来ないんです!料理運ぶのやめてください!」

店主らしき人物の態度が変わった。

「てめ~!さては予約詐欺だな!」

よ、予約詐欺?

な、なんだそれ?

「ちがうって言うなら先に代金を払ってもらおうか!」

「おいくらなんですか?」

「18万4千円」

どっひゃー!!!!!

なんちゅう金額!!!!!

どんなコースを予約してんだよ!!!!!

一人6千円オーバーじゃねーか!!!!!

演劇人の支払う額じゃねーだろ!!!!!

もちろん財布の中にそんな金額があるわけもなくカードで払うしかないのだけど……

えぇ?

これから18万4千円を回収するの?

オレが?

何で?

タメ息をついていると舞台監督さんが血相を変えてお店に飛び込んできた。

「達也さん、何やってんですか!もうすぐ本番ですよ!乃木坂の衣装を着てください!」

 

 *

 

なんだこれ?

どうして?

どうして本番前っていつもこんな夢なんだ?

つーか、この内容から判断すると自分はこの座組から浮いてるってことか?

それとも座組の財布だと思われているのか?

それともコスプレイヤーなのか?

 

幸せな夢って見られないものなのか?

 

 

本番までまだ日にちがある。

もう一回くらい来そうな気がするなぁ……

 

 

 

では、また。