ども、シアの香りが大好きな岡田達也です。



昨日、稽古の入り時間が遅めになった。
ちょいと時間があるぞ。
何をしようか?

稽古前だから飲酒するわけにもいかないし
(それ以前に痛風を治せって)

遺跡調査に出かけるのも面倒だし
(なんでオマエが遺跡掘るんだよ?)

上野のパンダを観に行くにもちょっと遠いし
(そもそもパンダに興味ないだろ)

そうだ!
気になっていた映画『クリーピー 偽りの隣人』を観に行こう!
(わりとまともな選択肢に落ち着いたな)

ちょうどよい事に、映画館から稽古場まで30分ほど歩けば行ける。
時間的にも都合がいい。
と、新宿に映画を観に行った。

……ここまでは良かった。

昨日の東京もピーカンの天気で、溶けそうな気温だったのだ。
ところが。
映画館を出て2分ほど歩いたときだった。

ポツ、ポツ、ポツ……

あれ?もしかして雨かな?
と思った次の瞬間!
突然のどしゃ降り!

本当に驚いた。
降り始めからどしゃ降りまで時間にして30秒ほどだったろうか?

新宿の街をゴジラから逃げまどう人々
……じゃなくて
新宿の街を雨を避けようと走り回る人々。
みんな、みんなどこかしらの建物の中に逃げ込んでいった。

そういう僕も目の前にあったお店の軒先に駆け込んだ。
そこは『THE BODY SHOP』というボディケア商品のお店だった。
http://www.the-body-shop.co.jp/shop/

あー、困ったなぁ
稽古に行かなきゃいけないのに
傘は持って無いし
コンビニ行くにもこの雨じゃびしょ濡れになるし
と、思っていると……

お店の中から女性スタッフさんが出てきて、僕に声をかけてくれた。
「そこじゃ濡れちゃうでしょう?よろしければお店の中で雨宿りなさってください(ニコっ)」

お、お、おおおっ!!!!!
な、な、なんて良い人なんだ!!!!!

ほ、ほ、惚れてまうやろーーーーー!!!!!

さりげない気遣いと、営業用ではあるだろうけど完璧なスマイルに、僕のほうが慌ててしまった。

「あ、ありがとうございます。でも、僕、最近ボディショップの商品買ってないんで――」

何なんだ、その言い訳?

「いえいえ(笑)遠慮無くどうぞ!」

「たぶん、今日も何も買わないと思いますけど――」

だから、何を取り繕おうとしているんだ、自分?

「はいはい(笑)遠慮無くどうぞ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

最初からそう言えよ

 *

おかげさまで雨はアッという間に小降りになり、コンビニまで走っていける程度になった。
僕は彼女に目礼しお店を出た。
出た後に思った。
「あっ! 安いものでいいから、ここで何か一つ買っていったらスマートなのに!」

ダメだな、自分。
このあたりがまだまだ大人じゃないのだ。

ごめんなさい、おねえさん。
でも、近いうちに必ず何かを買いに行きますね。

 *

僕も逆の立場になったらそういうふうに声が掛けられるようにしよう。

……オマエを雇ってくれるお店があるのか?


昨日、あった、ちょっぴり気持ちよかったお話。



では、また。