ども、もっと神戸にいたい岡田達也です。



「あの芝居のあの役は絶対にあの人で観たい!」

芝居好きなら、誰にでもある希望だろう。
僕にもある。

 *

本日、神戸公演の千穐楽を迎える。
今日はwhiteキャスト。

僕の役は「伸ちゃん」というバカップルの旦那さま。
竜馬を演じるのも楽しかったが、この伸ちゃんもなかなかに楽しかった。

出番もセリフも少ない中でいかにして印象を残すか?
稽古中からいろいろ考えてみた。
あーしてみるか、こーしてみようか?

しかし、そこで気付いた。
悩んだところで演技の引き出しをたくさん持ち合わせてるわけじゃないので、あーもこーもできないんじゃないか?と。

して、その通りだった。

自分で思った通り演じてみたら
「それ、『君をおくる』に出てくる松尾と一緒じゃないですか!」
と、半ばキレ気味に後輩たちに指摘された。

あぁ
なんてこった!
そう言われればそうだぞ!

かと言ってそこでガラッと芝居を変えられるほどの腕はない。
仕方がないので、その延長線でもう少し派手目にしてみた。

出来上がったキャラクターは我ながらおかしな人となった。
こう、気持ち悪いというか……
妙なおじさんというか……
とにかく
キャラメルボックスの舞台上に出して良いのかどうか?
子どもたちに見せて良いのかどうか?
色んな意味でギリギリの判断を迫られる人となった。

畑中智行は
「その年齢でそのキャリアで、まだそんな芝居ができるんですね」
と呆れていた。

木村玲衣が眉をしかめて
「達也さんの伸ちゃん、R18じゃないですか」
と囁いてきた。

衣装プランナーの方が
「ウォーリーを探せみたいですね!」
と、自分で決めた衣装のくせに僕の姿を見て爆笑していた。

そして僕は
トレンディエンジェルのたかしくんのようなデティールを目指した。

結果……
初めてコンビを組んだ大滝真実にもいろんな迷惑をかけたが、なんとか楽しいカップルになれたのではないかと思っている。


ただ一つ、悔しいのが……

どんなに頑張ってみても、
どんなことをしてみても、
僕は篠田剛を超えられない、という事実。

篠田剛演じる伸ちゃんの幻影が頭から離れないのだ!

だっちよ
なんで、あなたは、そうもインパクトと愛嬌があるのだ?

卑怯だぞ。
ちょっとわけておくれ。

つーか、だっちの伸ちゃん、もう一回観たい。
僕の中ではベストキャストなんだよな。

くそぅ
ハードルは高い方がやりがいはあるが、高過ぎるとさじを投げたくなるぜ。

今日もダッチ超えを目指してイチャイチャしてこよう。



では、また。