ども、久しぶりにパワーストーンをはめている岡田達也です。



石の力でお芝居がうまくならないものか?

 * * *

稽古も終盤に差し掛かってきた。

今日は衣装パレード。
明日から怒涛の通し稽古が続く。
踏ん張りどころだ。


D-BOYSのメンバーも熱心に稽古している。
その姿勢には頭が下がる。

……のだけど

ちょっと熱心過ぎる。
ヤツらは過去のDVDなんかを見やがる。

……いかん。
……見てはいかん。

下手なAVなんかより刺激が強いはずだ。

もちろん他の人の芝居は大丈夫。
問題があるのは僕自身の芝居だ。


百歩譲って前回の上演(2010年版)はまだいい。
多分、今とそう変わらない芝居をしていると思うから、恥ずかしさも少ない。

しかし。
2000年版(シアターアプル、オカモト役は南塚康弘)となると話は別だ。
このとき僕は初めて竜馬を演じたのだけど、苦しんだ記憶しかない。
自分自身も大役のプレッシャーに苦しんで、
南塚もいっぱいいっぱいで
二人でもがいていたことしか覚えていない。
DVDを見たことはないが、一体どんな映像が収められているのかドキドキする。

さらに。
どこから借りてきたのか
昨日は1995年版(シアターアプル、オカモト役は今井義博)のDVDまで手にしてやがった。
このとき僕は本郷役を演じているのだけど、
これは、もう、自信を持って言える。
僕の芝居は、糸に釣られた操り人形が、ギクシャク動いているだけ
……に違いない。
今まで一度たりとも見返したことはないが、想像するだけで恐ろしい。
こいつはAVを通り越して、ホラーだ。

陳内将に訊かれた。
「達也さんが本郷をやったとき、あのシーンの解釈はどうしていたんですか?」

……そんな難しいことオレに訊くな!
わかるわけないだろう!
毎日ひたすら怒られてただけなんだから!

実際、毎日毎日、よく怒られていた。
舞台上の記憶というより、舞台を降りたあと楽屋で成井さんに怒鳴られていた記憶しかない。
そういえば「オマエの顔は二度と見たくない! 出て行け!」と言われたのもこの公演だった。
あのとき、成井さんの言うことを聞いて素直に出て行っていれば、今頃は鳥取県知事になっていただろうに。

……話が逸れた。

Dのヤツらは熱心だ。
しかし熱心すぎるのも問題がある。
ヤツらは“AVホラー”を見てどう思ったのだろう?

芝居は記憶に残すものだからステキだと思っていたが
記録にも残ってやがった。

貸出用の金庫に鍵をかけておこう。

……あ
手遅れか。


石の力で過去を消せないものか?



では、また。