ども、小学校4年生までは天使の輪があった岡田達也です。



シャンプーが切れた。

今、使っているのはP&Gというメーカーの『ヘアレシピ』というシリーズで
『ハニー アプリコット エンリッチ モイスチャー レシピ』というやつ。

……長い
……商品名が長過ぎる

日本語に直すと
『はちみつ アプリコット 豊か しっとり 作り方』

……なんかすごい

これで洗うと、
甘く、しっとりした、つややかな髪の毛が出来上がりそうだ。

しかし。
僕の髪の毛はいつまでたってもバッサバサだ。

念のために言っておくが商品が悪いわけじゃない。
僕の髪の毛にはいつだって、どうしたって、水分が足りてない。

 * *

僕が中学生のときだったと思う。
エメロンの『アクアミー』という商品があったのだが、このCMが秀逸だった。
石坂浩二さんが街の中で女性を捕まえて
「あなたの髪の毛の水分をチェックさせてください!」
と言って妙な機械で計測するのだ。
適性の水分量というのは11~13%らしいのだが、たいていの人はこの数字に届いてない。
すると石坂さんが
「あなた、よく静電気が起きるでしょ?」とか
「あ~、潤ってませんね」とか
辛口のコメントを入れて『アクアミー』を薦めるというもの。

僕はこのCMのおかげでひどい目にあっていた。
クラスの連中に髪の毛をつままれて
「あなたの髪の毛の水分は2%ですね!」
とか言われてからかわれたものだ。
2%ならまだいい。
水分があるから。
ひどい奴は
「あなたの髪の毛はスチールウールですね!」
と、もはや髪の毛ではないものに変化させているやつもいた。

それくらい、僕は若い頃から、乾燥していたのだ。

当時、早見優ちゃんがCMしていたバスボンの
『恋コロン 髪にもコロン ヘアコロン シャンプー』
なる商品が大ヒットしていたが、僕はかたくなに
「いらん、いらん! 匂いなんてどうでもいいから、オレに水分を与えてくれ!」
と、石坂浩二さん信者となって『アクアミー』を使っていた。

あれから30年以上経つ。
アクアミーも無くなり、いろんな商品を試してきたが、僕の髪の毛が潤ったことは一度もない。

 * *

いつも買っていた近所のドラッグストアからヘアレシピが無くなっていた。
HPは残ってるから商品が無くなったわけじゃないと思うが、
どうやらそのお店での取り扱いがなくなったようだ。

……まただ
……また潤い探しの時間がやってきた

こうなると、シャンプー売り場の前で
「うるおい」とか
「ハニー」とか
「水分」とか
「修正」とか
「リッチ」とか
「油分」とか
似たようなキーワードを眺めながら
「どの商品なら僕の髪の毛でさえ潤わせてくれるのだろう?」
と、考えこむことになる。

実際、昨日も長いこと立っていたが、最終的にはどれもこれも同じに思えてきた。
そして結論は
「ま、どれを使ってもスチールウールが髪の毛に変わることはないか……」
と諦めの境地に達する。

結果、買ったのは
『とろ~り 濃密ハニーのうるるんモイスト ハニーチェ シャンプー』

さて。
僕の髪の毛はうるるんするのだろうか?



では、また。