ども、病気は少ないけどケガが多い岡田達也です。



ちょっと真面目なお話。

「15日、とある劇団の男性が模造刀を持って殺陣の稽古をしていたところ、模造刀が腹に刺さり死亡した」
というニュースを耳にした。

 * * *

僕は舞台上で大きなケガを経験している。

一度は
アクションシーンの最中、相手の拳が鼻先をかすめたと思ったら、次の瞬間には両方の鼻から大量の鼻血が吹き出した。
鼻骨が折れたのだ。
幸い小道具でハンカチを持っていたため、鼻を抑えながら客席に背中を向けて芝居を続行したが、目にしたお客さんはドン引きだったろう。

一度は
アクションシーンの最中、相手の鎖骨が肋骨に当たり、見事に骨折してしまった。
その後は、しゃべれば涙が出る、呼吸をすれば涙が出るという状態。
オマケにそれが土曜日のお昼の回で、終演後、救急病院に行ったのだが、先生からは「その体で夜もやるのか?」と呆れられてしまった。

一度は
殺陣の最中(このときは通し稽古中だったが)、相手の槍が額に当たって額が割れ、その場に倒れこんでしまい救急車で運ばれた。
槍と言っても安全のために先を丸く削ってあるもの。
それでも合計で12針縫った。
キャラメルボックス史上初めて、通し稽古を止めてしまったのもこのときだ。


けっして油断していたわけでもない。
どのときも、真面目に、真剣にやっていた。

それでも、悲しかな、アクシデントは起こる。
(もちろん僕自信の技術不足というのは否めないけど)

今、キャラメルボックスの俳優教室で殺陣を指導させてもらっている。
いつだって口を酸っぱくして言う。
「セーフティであることが絶対条件だ」と。

テンションが上ったり、気持ちが沸騰すると、相手が見えなくなる役者はいっぱいいる。
特に経験が浅かったりすると尚更で、見ていてハラハラすることも多々ある。
それはダメだ。

立ち回りはどれだけでも注意しても十分ということはない。
したりない、なんてことはないのだ。

ケガをする側も辛いけど
ケガをさせる側も同じように辛い思いをする。

もしも、この日記を読んでくれてる若い俳優さんがいて
舞台上で立ち回りのシーンが巡ってきたとき、今一度、注意力を高めてほしい。
……と切に願う。

どうか老婆心だと思って。

 * * *

お亡くなりになった方の状況はわからないから何とも言えない。
けど、竹光だってジュラルミンだってこんなことは起こりえる、ということは事実であって。

ご冥福をお祈りします。



では、また。