ども、閉店状態の岡田達也です。



『フォゲットミーノット』の通し稽古を観るためにキャラメルボックスの稽古場に出掛けた。

新作だ。
オマケに初めての通しだ。
つまりは
“やってみなければどうなるかわからない”という状態。

こいつが!
この感じがいい!

これが観ている側にはたまらない。

昨日の僕は観るだけなので、恐ろしくお気楽で、フニャフニャしてて、
肉体も精神も弛んだ状態だった。
(ちなみに一年のうち11ヶ月はこのような状態)

それに比べ、これから通すメンバーたちの緊張感の高さ!
それを見ているだけでニヤニヤしてしまう。

緊張してる人たちはいくつかのパターンに分類される。

・ずっとセリフをかえしている人
受験生で試験会場に着いてもギリギリまで参考書を開いてる人たちがこのタイプにあたる
良くも悪くも往生際が悪い
言い換えれば非常に真面目ということだろう

・小道具を確認している人
通しの前って上の空になりやすいので衣装や小道具の忘れ物をしやすい
そんな中、地に足が付いているタイプと言っていい
たいへん堅実なので結婚するならこういう人を選ぶべき

・ネタの打ち合わせをしてる人
キャラメルボックスの場合、稽古場でならセリフの変更ができる
そこで一笑いとってやろうと企んでるひとたち
ま、打ち合わせをしたからといってウケるかどうかは別問題だが

・銅像のように固まってる人
ジーっと動かないでただただ一点を見つめている
精神を統一させているのだろうか?
ちなみに
僕は落ち着きが無いのでこうはできない

・意味もなく稽古場を右往左往してる人
体全体で貧乏ゆすりしているようなものでとにかく落ち着かない
僕の場合はこれ

・顔を真っ赤にして汗をかいてる人
筒井俊作

このように
みんなそれぞれのスタイルで稽古開始を待っている。
が、
どうやっていようと、
どう過ごしていようと
張り詰めた緊張感だけは痛いほど伝わる。

いつも思う。
「なんでこんな思いをして芝居をやってるんだろう?」と。

緊張なんてしない方がいい。
心臓がバクバクしたり
手が震えたり
妙に汗をかいたり
えづいたり
そんなことがなければもっと楽ちんに生きていけるし、これ以上寿命を縮めたくない。

……なーんて書いておきながら
緊張感があるからこそ面白い作品が生まれることも知っている。

みんながみんな、それぞれのスタイルで
自分の中の何か
もしくは
演出家
もしくは
観ている人たち
もしくは
空想のお客さん
……何かしらと戦っている。

それが芝居には不可欠だと思う。
(少なくともキャラメルボックスの芝居には、ですよ)
そこを超えてからが勝負だから。


緊張なんて大嫌いだ。
だけど
大いに緊張すべし。

がんばれ、みんな。



では、また。